私は「色」から入る。
「色」から入るという事は、見た目を重視する。
ただ「いい」という事でなく、
見た目に「風情」を感じるかどうか、という事だ。
あの男は、時代劇にでも出たらいい風貌で、
後ろから狙ったら、切りつけられそうな険しさがある。
故郷のY県で雪の中、黙ってたたずんでいるのが似合う。
本当は若い女が好きで、
自分しか愛せないキャパの無い男のくせに、
寡黙で渋い男に見えてしまう。
私はその見た目に、だまされている。
少し見上げる背の高さに、あの胸板、
脱がせてみたい、たくましい体躯。
あの男の見た目には、「色気」があるのだ。
だから遠くで眺めている限り、私の妄想はおさまらない。
困ったものだ…。