「ヘルメットさん」が、ウチにやってきた。
「ヘルメットさん」の正体は、
「Induction Heating Rice Cooker」
言い換えると、「圧力IH炊飯ジャー」3合炊き、である。
ステンレスブラウンが光る、
ヘルメットみたいな、カッコいい形。
私は今まで、親に買ってもらった、
「マイコン炊飯ジャー」10合炊きを、
16年間も使っていた。
いつも、1合か1.5合しか炊かない為、
大き過ぎる釜の中で、
それは、まるでシベリア平原のように、
浅く、平らに炊き上がり、
デンプンの味しかしなかった。
十数年前に比べたら、家電の性能も、
そうとう上がっているだろうが、
使えるうちは使おうと思っていたので、
あまり、気にしていなかった。
しかし先日、健康食品の店に行き、
100円で無添加食品を買い、
説明を聞いているうちに、気づいた。
私は今まで、
死んだ食品を食べていた。
メカに強い友人に、
家電の耐久年数が過ぎていて危険だと、指摘され、
「そろそろ美味しい米が食べたい。」と、思っていた私は、
やっと背中を押され、次の日に買いに行った。
私が選ぶ基準は、
★炊く分量にふさわしい大きさ
★高い性能かつシンプルな機能
★デザイン性
★炊飯器の老舗メーカー
ヨドバシの店員は最初、人気ベスト3を勧めてきたが、
どれも、一般家庭用サイズで、
よぶんな炊き分け機能、デザインもイマイチ。
その中の1つは、「タイガー」の商品だったが、
他のは、音響メーカーみたい。
何だか、気に入らない。
タイガーの新商品「土鍋IH炊飯ジャー」は、
本体の横に並べて置かれている「フタ付きの土鍋」が、
CM画面での、ただのイメージではなく、
実際そのまま、
炊き釜→おヒツ→冷凍容器→レンジ容器、と使用できて、
メーカー小売希望価格は、100000円もするのだ。
その日それが、ヨドバシの目立つ場所で、
半値くらいになっていたので、気になったが、
少量炊きには向かない、と言われた。
迷いに迷って、
「今回気合入ってるから、安ければいいとは思っていない。」と言うと、
店員は、特にイチオシでも値引きでもない、
「ヘルメットさん」を紹介してくれた。
3合炊きで29800円、決して安くはない。
同サイズの商品なら平均、それより1万円くらい安い。
「ヘルメットさん」は、ただのIHではなく、
「圧力」という機能が、ついているのだ。
しかも、カッコいい。
(どうやら炊飯器老舗メーカーの方がデザインが良いみたい。)
「安くならない? 他店の値引きで値段変動してない?」
「3合炊きは、競争が無いんです。」
確かに…。
よく見ると、
象印じゃん。
決めた。
「これにします。」
マニュアルを読むと、注意書きが非常に厳しい!
機能を最大限活かす為に、「~するな」とか、うるさい指示。
まるで、脅しに近い。(笑)
でも、美味しく炊くには、言う通りにしなきゃ。
静かで、湯気らしきものも見えないのに、
「設定」や「炊き上がり」の音楽が、うるさいのは、
設定ミスを防ぎ、「早く食べろ」と言いたいのだろう。
炊けたら「すぐにほぐす」と、マニュアルにある。
何と、「蒸らす」という常識が、覆された。
慌てて開けると、
今まで、当たり前だった炊き上がりの、
「平原」は、みごとな「森」になっていた。(笑)
美味い!
米の味がする。
1粒の形が、ハッキリしている。
これが、本来の白飯の姿か。(感動!)
健康食品の店で知った本に、
「生命エネルギーのある物を食べよ」とある。
食べ方も悪く、
エネルギーの無い物ばかり、食べていた事が、
私の体調を悪くし、不眠症にしている気がした。
愛着
晩年の「お釜ちゃん」は、
内ブタを留めていたゴムが切れ、
ヒビが入った頭から、ネバネバした物を出しながら、
16年間、よく働いてくれました。
「お釜ちゃん」の正体は、象印の「マイコン炊飯ジャー」。
「ヘルメットさん」と、同じ老舗メーカーです。
ウチで、一番長く使用していた家電です。
粗大ゴミに出すのも、可哀想な気がします。
春日がいたら、拾うかな。
シンプルなマニュアルは、記念にとっとこう。
お釜ちゃん、ありがとう、さようなら。