ヤンキーキャラも好きではないし、ボクシングにも興味はないが、
亀田興毅の軌跡を見ていたせいか、8月2日の試合も見る気になった。
闘拳門をくぐる連なった親子は、幼稚園児のイモ虫のようで、何だか笑ってしまったが、
どうしてもお父さんが先頭になってしまうんだね。(笑)
「この子はお父さんがいなくなったら、どうなっちゃうんだろう。」
特集を見た時から、そう思っていた。
対戦相手のランダエタの事も、何も知らなかったが、
「ボクシングをやる人間は、野蛮だと思われがちだが、私は違う。」という一言が気に入って、
私はこのベネズエラの27才を、応援する事にした。
だから興毅が一度ダウンした時は、すごくコーフンした。
ランダエタよ、興毅をボコボコにしてあげて!
別に亀田興毅が、憎いわけではない。
調子づいている若い彼には、このまますんなり勝ってほしくなかっただけだ。
1ラウンド終わるたびに、彼の表情は辛そうに見えた。
私はその実力よりも、精神力が気になっていた。
解説者は「落ち着いてますね。」なんて言っていたが、
どこが落ち着いてるんだ。どんなに練習してたって恐い。
まして19才、緊張してるに決まってる!
私はトリノオリンピックの時の、安藤ミキティを思い出していた。
12ラウンドは長い。
19才の興毅が、あんなにフラフラになるのだから、
27才のランダエタは、もっとしんどいはず。
さすがに世界チャンピオンは強い。
ファイトマネーがいくらかは知らないが、このオフィシャルなケンカを、
大勢の人間が、楽しんで見ている事が酷な気がした。
そのくらい2人は、よくやったと思う。
それだけに結果にはシラケた!!
亀田興毅が負けた方が、感動的だったと思う。
それにあんな勝ち方じゃ、興毅が恥をかくだけだろう。
判定方法も難しいらしいが、ジャッジが3人て少なくないか?
いずれにせよ、興行主の思惑は、2人の健闘を無視している。
それにしても番組にクレームをつけたり、ベネズエラの日本大使館に
「ごめんなさい」メールを送る日本人の、何と公平な事か!
でも興毅が悪いわけじゃない。
その後、亀田親子はそれぞれ、他局のイジワルな番組に出演していたが、
サングラスの下の幼い目は、どんな表情だったのだろう。
そんな中、父親が言ったらしい。
「興毅は部屋で、チャンピオンベルトを見ようともしない。19才の子供が泣いている。」
泣くな、興毅!
そんなんじゃ、対戦相手じゃなくて、マスコミにKOされてしまうぞ!
「親父のボクシングが世界に通用した」じゃなく、
「自分の実力が世界に通用した」と早く言えるように、
亀田興毅が、父親から卒業する日に期待する。