市大医学部の学園祭に、「小島よしおが来る」というので行く事にした。
お笑いライブの前の、ミスターコンテストも見ようと思って、早めに行ったのに、
すでに大学の壁づたいに、長蛇の列ができていた。
スタッフに聞くと、受験相談、講義、イベント、全て同じ列に並べと言う。
最後尾をめざせど、延々と列は続き、私は歩きながら
「小島よしおは、もうムリだな。」と感じていた。
ミスターコンテストの時間はとっくに過ぎ、列がゆっくり動き出しても、
スタッフからの説明は、何もなかった。
お笑ライブが始まる頃、ようやくスタッフがメガホンを持ってやってきて、
「お並びいただいても、小島よしおのライブは見る事ができません。
その他の催しも、ライブが終わるまで入場できません。」と叫んだ。
「…だろうな。」
でも、小島よしおだけ見に来た人もいるかもしれないのだから、
もっと早くキャパを把握すべきだろう。
群集心理をかきたてるリズム
私が初めて小島よしおを見たのはTVで、
「東京ガールズコレクション」か何かのファッションショーだった。
「そんなの関係ねぇ。おっぱっぴー。」と叫ぶパンツ姿の男の、
どこが面白いんだろうと、イラッとした。
でも何回か見るたび、「そんなの関係ねぇ。」の前にネタがあるという事と、
あれは「ブリーフ」ではなく「海パン」だという事を知った。
それからの私は、ネタがどうであれ、つられて口ずさんでしまうようになった。
ここまで盛り上がるのは、誰もが心の中で、
「そんなの関係ねぇ。」って言いたいからだろうか。
「気持ち悪いけど、気になる。」
「ああいうのは、どこの大学でもいるよ。」
「何で、海パンなんだろう。」
「早稲田(卒業)だから。」
友人の妙な答えに、なぜか納得してしまった。
やがて垣根の向こうから、ワーッという歓声が聞こえ、
マイクを通した声が、何か言っている。
どうやら始まったようだ。
結局、キャンパスに入れたのは、ライブ終了10分前くらい。
野外ステージから離れたところに張られたロープの前まで行くと、
ズンズンズンと音楽が聞こえ、小島とお客の掛け合いが始まった。
だが、「そんなの関係ねぇ。」も「おっぱっぴー。」もよく聞こえず、
小島よしおの姿も見られないまま、ライブは終わってしまった。
その後、音楽ライブやミスコンを見て、野外ステージのショボさに驚いた。
大学も私も、小島人気をなめていたのだ。
でも そんなの 関係ねぇ。
私はそれでも、小島よしおが見たかった…。(笑)