例のウナギ屋に、行って来た。
口コミサイトには、ほぼウナギの称賛と、接客の悪口。
記念日を満喫する為に、前もって、何度か問合せをし、
何番目のにするか、予約するか否か、あれこれ考えていた。
忙しかったせいか、2回目に電話した時、
オヤジの態度が、以前よりぞんざいだったので、
こちらも遠慮なく、「国産ですか?」と聞いてやったら、
「その時による。」と答えた。
値段の差が、「大きさ」だと知っていたのだが、
わざと、「産地か?」と聞いたのだ。
つまり、今出しているウナギは、
国産ではない可能性が高い。
予約できない時間帯に早めに行き、
メニューは行ってから決め、
出来上がるまで、1時間待つ事にした。
平日のオフタイムだが、有名店なので、あなどれない。
道すがら、若い白人女性に、
「〇〇駅は、どこですか?」と、声をかけられた。
日本語で聞かれたのに、
一瞬、英語で答えねばならないと思ってしまった。
説明すると、「あ~。」と、
バリバリ日本語分かっていらっしゃる。
ウナギ屋へ向かう私達と、
駅へ向かう少女が、交差した。
思っていたより、古ぼけた引き戸を開けると、
こざっぱりした古民家食堂。
「2階の座敷席がいいんですけど。」と、
一悶着を覚悟で言ってみたら、すんなり通された。
客は1人もいなかった。
それどころか、私達がいる間に、
2階に、客が上がって来る事はなかった。
男爵と鳩子が過ごした部屋で、貸し切り状態だ。
一番小さい重にしたら、後から、
それだけ器が、鎌倉彫ではないと判明した。
あわてて、二番目のに変更。
ギリギリセーフ。
「あなたみたいに、入れ物が鎌倉彫だというだけで、
1ランク上のを注文する人間がいるのだから、
店としては、してやったりだ。」
と、連れが笑った。
しかも、ウナギのメニューは、値上がりしていた。
骨せんべいに、瓶ビール。
茶碗蒸しも追加した。
塩が効いてて、パリパリで美味い!!
三つ葉がいい香、あったかくて美味い!!
テンション上がってきたところへ、
ウナ重が、45分で来た。
写真を撮っている間、連れはガツガツ早食いし、
私が食べ始めた頃には、食べ終わっていた。
そして、私のウナギは冷めていた。
2人とも、風情が無い。
老舗で食べてる意味が無い。(笑)
タレは、普通に良い味だ。
ウナギは、やわらかいが、泥臭さがやや残る。
うむ。
どうやら私は、そもそも、
ウナギじたいを、美味しいと思っていない。(笑)
今回もたぶん、
ドラマのイメージで、食べたくなっただけだ。
しかし、サイドメニューが、これだけ美味しいのだから、
ウナギも、きっと、美味しいのだろう。
ネット上では、タレが、「あっさり」とか「濃い」とか、
全く逆の表現なのに、美味いと書いてあるし、
「トイレが汚い。」「レシートが出ない。」などと、不満もあったが、
2階のトイレに関しては、作りは古いが綺麗だったし、
欲しいと言えば、金額が縦書きの、
オリジナルの、店名入り領収書をもらえるよ。
他人の基準は、あてにならない。
行く時間が違えば、対応も変わるのだろう。
それに、ウナギ屋に、
うるさい子供を連れて行く必要はないと思う。
1階のテーブル席では、
若い男性客が1人、会計を済ませるところだった。
入る時は気づかなかったが、玄関に鯉が一匹、
狭くるしい水の中で、ただよっていた。
外に出ると、すっかり暗くなっていて、
店の横に、見覚えのある顔の男性が、突っ立っていた。
三代目店主だ!!
私は、ネットで調べて、その顔を知っていたのだ。
厨房ののれんをめくった時、
私達のウナギを焼いたのは、店主ではないと分かっていた。
「何で、こんなところで、突っ立っているのだ?」
ウナギのような眉毛に、そう尋ねてみたかったが、
人目を避けているようだったので、止めた。
時間帯で、職人がチェンジするのかもしれない。
三代目の味は、どんなだろう。
この店で、気分良く過ごしたかったら、
平日のオフタイムに行く事を、お勧めする。
そして、骨せんべいと茶碗蒸しは、注文必須だ。
ウナギに文句は無いが、普通の味だ。(笑)
食べたかったら、他人の意見など気にするな。
風情を食せ。
これが私の、真実の食レポである。(笑)