ウルヴァリンのワイルドなカッコ良さに惹かれて、「X-MEN3」を観に行った。
その前にTVで、「X-MEN」「X-MEN2」を観ていた。
「X-MEN」は、まさに序章。
バイクのスイッチを押して速くなった時の、ウルヴァリンの喜ぶ顔は、
コミックっぽくて面白い。(笑)
「X-MEN2」は、ミュータントそれぞれの能力の見せ場が、とてもカッコ良くキマっていて、
心理描写も丁寧だった。
ミスティークは、ウルヴァリンに恋していたのね。
「X-MEN3」は、戦闘のシュミレーションの授業風景が、一瞬で消えるシーンが綺麗。
アクションに終始していて、迫力があったが、
ジーン1人でカタがついてしまうような気もした。(笑)
でも私は、「X-MEN3」がどんな出来でも、楽しめると思っていた。
「X-MEN」「X-MEN2」を観て、ウルヴァリンと、この作品そのものが好きになっていたから。
映画でのウルヴァリンを、原作の姿ではなく素顔にした事で、
作品はより魅力を増したと思う。
Wolverine = 北米産のイタチの類
あの爪とヘアースタイルは「イタチ」だったのか。(笑)
渋くて寡黙だと思っていたウルヴァリンが、思ったより落ち着きないのが意外だった。(笑)
置いてあるパーカを勝手に着たり、
サイクロップスのバイクに勝手に乗ったり、
他人の家の冷蔵庫を勝手に開けて、ドリンクを飲んだりしている。
もっとシャイかと思ったら、いきなりジーンに告白してるし。まさにワイルド。(笑)
私はリーダーシップをとるウルヴァリンよりも、
記憶を消されて、イライラしているアウトローの彼が好き。
爪を出して戦ってる時の、ウルヴァリンの激しさが好き。
ローグが尋ねた。
「爪を出す時は痛いの?」
「ああ、痛い。」
それはウルヴァリンの、心の痛みであるかのように思えた。
本当は傷つきやすい彼なのに、そう見えないから、
ジーンの件では「心の傷もすぐに治るのか。」と、イヤミを言われてしまう。(笑)
才能を愛するダンディーなマグニートー
彼が金属を操る時の所作は、とってもスマートでステキ!
イアン・マッケラン自身の品性を感じる。
彼も又、悪役を演じても、嫌な感じがしない役者だ。
マグニートーほど大物になると、
「カッチョ悪いヘルメット…。」とバカにされても、
パイロの能力を褒める余裕がある。大人だわー。
あの瞬間、孤独なパイロは、マグニートーに心を開いたのだろう。
そして、人間に戻ってしまったミスティークに向かって、
「美しい女だったのに。」と言い放つ彼は、
肌が青くて異形でも、彼女のその能力を愛していた。
もし ミュータントだったら
親しい友人に、どんな能力が欲しいか尋ねたら、
「不老不死…。」
つまんねー。もっと個性のある答えはないのか。(笑)
私だったら…、人の心を読めるのは便利だけど、わかってしまったらキツいかな。
とりあえず、見た目は人間の姿でいたい。
結局、「普通」に憧れる私も、ミュータントを差別しているのかもしれない。
ただ、ローグを除いては、ミュータントがキュアを打たれたくない気持ちはわかる。
「あるがままの自分」でいたいから。
攻撃は最大の防御
「差別」という、永遠のテーマをどう扱うかというよりも、
すごくシンプルな事が、私の胸を熱くした。
自分にあるもので他人を補い、
自分にないものを他人が補う。
いろんな個性が集まるから、自分が活かされる。
「できそこない」の何て素晴らしい事か!
そして、その個性をコントロールする為に、人は「学ぶ」。
学ぶ事は人を強くする。
アイスマンがパイロに勝ったのは、学んでいたからだろう。
強い者は、むやみに戦わないのだ。
怒りや恐怖を制御できない時 人は誰しも「爪」を出す
私は「X-MEN」を観て初めて、自分がいかに臆病な人間か、わかった気がした。