果たしてイギリスはEUを離脱するのか。
当初、離脱派の優勢が伝えられていたが、議員の殺傷事件以降、少し風向きが変わったらしい。でも、予断は許さない厳しい状況であるようだ。
イギリスは、かつて世界中に植民地を持っていた関係で、国内には旧・植民地の人たちがかなり流入している。私がロンドンを訪れた際、一番困ったのは食事でした。気軽に食べられそうなお店は、メニューがタラのフライと、フライドポテトばかり。ビールは多いけど、ツマミがお粗末。
止む無くチャイナタウンか、インド人街で食事していたものです。ここなら、私の片仮名英語でも、なんとか通じますから。ただ、本来なら気安い食堂などがある下町は、ちょっと危険な感じがしたので、私は避けていました。美味そうな匂いだけはしたのですが、通りにたむろする白人たちの危ない目つきが嫌でした。
大英帝国として世界を支配したイギリスですが、その支配は差別と分断を駆使した狡猾なものでした。その意識は未だ、現代のイギリスにも残っているのかもしれないと思ったものです。
国際色豊かなロンドンの街ですが、EU加盟以降になると、英語を話せない移民が増えたと聞いています。英語を話せる旧・植民地の移民とは異なり、英語を話せない移民たちと、白人たちの間には相当な軋轢があり、それが今回のEU離脱を問う国民投票の下地になっているようです。
非常に僅差の結果となると思われ、私はさっぱり予測できません。ただ、もし離脱が決まったのならば、それはイギリスの凋落の第一歩になることは分かります。
イギリスは連合王国であり、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドなどには、今も独立派が根強く残っています。もし、EUからの離脱が決まれば、必然的にこれらの独立派が蠢動を始めることは容易に想像がつきます。
当然にEU離脱は、経済に与える影響は大きく、不況に苦しむことになるでしょう。国内に不満分子を抱えたイギリス政府が、内政に四苦八苦するのは目に見えています。
おそらくですが、これはカナダにも波及するでしょう。ずばりケベック州の独立問題にも飛び火するだろうと予測可能です。イギリス連邦そのものも、離脱と分裂を起こす可能性があります。
そして、ほぼ確信しているのですが、日本においては沖縄の独立問題に火が付く可能性は、決して低くないとも考えています。沖縄には、本気で独立を求める少数派がいるのは確かですが、大半は本土からの経済的利益を求めての日和見派が相当いることは分かっています。
独立問題をネタに、日本政府からより多くの利益を求める動きと、それに反発する本土との争いに発展する可能性は、決して低くない。遠いイギリスのEU離脱問題は、多くの国に争いを引き起こす火種になると私は考えています。