少しは景気が良くなるかもしれない。
こんな風に書くと、お前は馬鹿かと云われそうである。イギリスのEU離脱を受けて円は急騰し、円高不況の到来を予測するマスコミが大騒ぎしているのを知らないのかと、怒られそうである。
為替における円高は、輸出関連企業や、外国から来る観光旅行関係の企業にとっては大ダメージである。それは私でもそう思う。それでも敢えて書かせてもらうと、円高好況もあると思う。
日本は資源小国であり、原材料を海外から輸入し、それに加工し付加価値を付けて輸出することで稼いでいる。円高はこの輸出を大きく減らす要因になるのだから、円高不況に陥るのは必然だと言う。
本当にそうなのだろうか。
海外から輸入される原材料を100とすると、そのうち輸出に回されるのは、30から40くらいだ。もちろん原材料等の種類によっては、多少は変わるが、輸入される原材料の過半は、日本国内で費消されるのも事実である。
つまり輸入原価が下がるのだから、円高は輸入した原材料を国内で加工し、国内で販売する限りにおいては、確実に利益を上げる。これもまた単純な事実である。
もちろん円高は、アベノミクスで有利な経済条件を与えられた輸出企業等には大ダメージだ。また海外からの投資家、観光客を当にしていた企業にとっては、大ダメージに他ならない。
でも、国内企業、とりわけ輸出に縁のない中小企業にとっては、円高はむしろありがたい。また消費者にとっても輸入原価が下げる恩恵は当然にある。つまりアベノミクスにおいて、置き去りにされていた中小企業及び一般消費者にとっては、むしろ円高は少なからずメリットがある。
そして、この夏海外旅行を予定されている方にとっても、この円高は非常にありがたいはずである。もっとも、急激すぎる円高は、不安定要因となるデメリットもあるのも確かです。実際、私の知人は今回の円高でFXで稼いだ資金をすべて失ったとも聞いてますから。
円高好況とは、私の若干の期待も込めての言葉ではあるが、十分あり得る予測だとも思う。ただ、不思議なことに、マスコミはあまり報じない現象でもある。忘れているのだろうか、80年代のバブル景気の呼び水は、円高であったことを。
もっとも、大企業重視の大マスコミ様には通じない理屈だとは思いますけどね。