先月大規模な通信障害を起こしたKDDIが、契約者に対して一律200円の補償をすると報道されていた。
月の支払いが200円減額するだけだろうけど、果たしてこの金額が妥当なものなのか、いささか疑問に思う。約二日間音声通話が使えなかったわけで、その不便さを思うと、200円では足りないと感じる方がいたとしてもおかしくない。
私自身、実はAuユーザーなので、少々不便を強いられた。もっとも日頃、音声通話はあまりしない。電話は使うが、もっぱら事務所の固定電話が主なので、携帯電話は鞄の底にしまいっぱなし。
今回もネットのニュースで通信障害を知ったほどだ。幸いデーター通信の障害は、私に関してはなかったので、特段不便した覚えはない。だから200円と聞いても、安いとも高いとも判断しかねる。
どちらかと云えば、通信障害の報告というか連絡が遅かったことが、少し腹立たしい。私はヤフーニュースで知ったのだが、本来ならばAuユーザーに対してKDDIこそが率先して連絡するべきことではないのか。
どうも後手後手に回っていた感が否めない。
どうも契約者というか顧客よりも、企業の体面を考え、監督官庁をちらちら横目で見ている卑屈さが見て取れてしまう。なお、社長自らが、トラブルの原因とその対策を丁寧に説明していた点を褒める報道があったが、私はどうかと思う。
社長がメカニカルな技術に対して理解があるのは分かったが、それって社長の仕事なのか。社長がやるべきことは、他にあったのではないか。それはAuだけでなくドコモやソフトバンクにも云えるが、どうも末端の消費者、すなわち契約者を軽んじている気がしてならない。
電電公社時代の黒電話のほうがトラブルは少なかったが、これは電話機の機能が別次元なので比較するのはどうかと思う。思うけれど、当時もお役所体質が強くて、電話の契約者よりも監督官庁のほうばかり見ていたのは事実だと思う。
携帯電話が普及しただけでなく、事実上電話が出来る携帯型コンピューターであるスマートフォンは、その構造の複雑さからトラブルが生じやすい。だからこそ、トラブル対応に力を入れるべきだと思う。
しかし大手三社で市場をほぼ独占しているせいか、どうも企業の傲慢さが鼻に付くのは私だけだろうか。
それと監督官庁である総務省は、偉そうに上から目線で叱責するよりも、携帯各社のトラブル内容を公表するなどして、もっと情報開示を進めて欲しいと思う。どうも肝心の情報が隠されている気がしてならないのです。
繰り返しますが、現在の携帯電話は小型コンピューターであり、どうしてもトラブルは発生します。しかし独占企業は自社に不利な情報を隠ぺいしがちです。総務省はその実態を踏まえて、上から目線でご指導するのではなく、事実を公表して消費者の判断に利する情報を開示するほうが良いと思いますよ。