去る者追わず、はイイ。でもサルは追い払え。
山口県山口市でサルによる人間への被害が多発しているという。このサル、かなり確信犯的に人間を襲っている。わざわざサッシを開けて侵入し、噛み付いたり引っ掻いたりと害を与えることを目的としている。
はっきり言うが、ニホンザルは強い。成獣のニホンザルは成人の大人よりも力が強く、敏捷性も人の比ではない。武器をもっても、かろうじて対峙できるかどうかの強者である。
おまけに知能が高いため、人が弱いことを知っている。だから子供や女性を優先的に狙って攻撃することもある。嗅覚は鋭く、毒餌なんかには簡単に騙されない。非常に厄介な野生獣である。
私は山に登っていた頃、遭遇したくない野生の獣のワースト3がニホンザル、野犬、猪である。猪はとにかく突っ込んでくるが、木に登るなどして避ければ大丈夫。野犬は怖いが、背中をみせずにゆっくり後退すれば、追ってくることはない。要は縄張りを出れば良いだけだ。
問題はニホンザルだった。こいつらは頭が良く、大概の狙いは食料である。私たちのザックのなかにあることを分かって襲ってくる。しかも、なかなか諦めない。
あくまで私の経験からだが、林の中を出て、立木がない広っぱに出ると、案外と追って来なかった。広い場所が嫌いなのか、それとも登れる木がないのが嫌なのかは分からない。
小柄なニホンザルだが、実は筋力は成人男性よりも強い。鋭い牙と爪を持っているため、素手の人間に勝てる相手ではない。知人が七味唐辛子を顔面に投げつけて難を逃れたと聞いたことがあるが、私はやったことがない。
大分前に書いた話だが、千葉の里山をハイキングした時、十数頭のニホンザルに囲まれて威圧されたことがある。その時私たちを助けてくれたのは、突然現れた和犬だった。首輪をしていたし、小奇麗だったので飼い犬だと思う。
その犬が現れた途端、サルたちは姿を消した。安堵した私たちは、その犬にお菓子を与え、人里まで送ってもらった。今思い返しても不思議だが、その犬は人をサルから守るのは自分の役割だと任じていた節があった。実際、車道に出たら、振り返ることもなく、どこかの人家の庭に消えていった。
もしかしたら、あれは送り狼ならぬ、送り犬だったのかもしれない。
今回の山口の件だが、既に一頭のサルを捕獲して処分したらしいが、同日にまた他の人間が襲われているので複数いるようだ。サルが人を恐れなくなったのは、戦後のことだと思う。
戦前はサルは農作物を荒らす害獣として、わりと簡単に射殺されていたらしい。戦後、妙に動物保護の考えが広まったのと、猟銃の所有が徐々に警察により制限されてきたため、サルは人を恐れなくなったと云われている。
もっというと、サルを餌付けする馬鹿な人間がいることが、サルを人里に近づける大きな原因である。これは残念なことでもあるが、人は野生の獣の生息域を削って、自分たちの生活圏を広げてきた。
根本的に人と野生とは敵対する存在である。餌をやる程度で解決する問題では断じてない。むしろ野性と人との関係を危うくしてしまう。
何度も書いているので閉口する方もいるかと思うが、それでも声を大にして言いたい。野性の獣を餌付けするな、と。小さな善意が、大きな悪意となって帰ってきている現実を直視して欲しいものです。
山口県山口市でサルによる人間への被害が多発しているという。このサル、かなり確信犯的に人間を襲っている。わざわざサッシを開けて侵入し、噛み付いたり引っ掻いたりと害を与えることを目的としている。
はっきり言うが、ニホンザルは強い。成獣のニホンザルは成人の大人よりも力が強く、敏捷性も人の比ではない。武器をもっても、かろうじて対峙できるかどうかの強者である。
おまけに知能が高いため、人が弱いことを知っている。だから子供や女性を優先的に狙って攻撃することもある。嗅覚は鋭く、毒餌なんかには簡単に騙されない。非常に厄介な野生獣である。
私は山に登っていた頃、遭遇したくない野生の獣のワースト3がニホンザル、野犬、猪である。猪はとにかく突っ込んでくるが、木に登るなどして避ければ大丈夫。野犬は怖いが、背中をみせずにゆっくり後退すれば、追ってくることはない。要は縄張りを出れば良いだけだ。
問題はニホンザルだった。こいつらは頭が良く、大概の狙いは食料である。私たちのザックのなかにあることを分かって襲ってくる。しかも、なかなか諦めない。
あくまで私の経験からだが、林の中を出て、立木がない広っぱに出ると、案外と追って来なかった。広い場所が嫌いなのか、それとも登れる木がないのが嫌なのかは分からない。
小柄なニホンザルだが、実は筋力は成人男性よりも強い。鋭い牙と爪を持っているため、素手の人間に勝てる相手ではない。知人が七味唐辛子を顔面に投げつけて難を逃れたと聞いたことがあるが、私はやったことがない。
大分前に書いた話だが、千葉の里山をハイキングした時、十数頭のニホンザルに囲まれて威圧されたことがある。その時私たちを助けてくれたのは、突然現れた和犬だった。首輪をしていたし、小奇麗だったので飼い犬だと思う。
その犬が現れた途端、サルたちは姿を消した。安堵した私たちは、その犬にお菓子を与え、人里まで送ってもらった。今思い返しても不思議だが、その犬は人をサルから守るのは自分の役割だと任じていた節があった。実際、車道に出たら、振り返ることもなく、どこかの人家の庭に消えていった。
もしかしたら、あれは送り狼ならぬ、送り犬だったのかもしれない。
今回の山口の件だが、既に一頭のサルを捕獲して処分したらしいが、同日にまた他の人間が襲われているので複数いるようだ。サルが人を恐れなくなったのは、戦後のことだと思う。
戦前はサルは農作物を荒らす害獣として、わりと簡単に射殺されていたらしい。戦後、妙に動物保護の考えが広まったのと、猟銃の所有が徐々に警察により制限されてきたため、サルは人を恐れなくなったと云われている。
もっというと、サルを餌付けする馬鹿な人間がいることが、サルを人里に近づける大きな原因である。これは残念なことでもあるが、人は野生の獣の生息域を削って、自分たちの生活圏を広げてきた。
根本的に人と野生とは敵対する存在である。餌をやる程度で解決する問題では断じてない。むしろ野性と人との関係を危うくしてしまう。
何度も書いているので閉口する方もいるかと思うが、それでも声を大にして言いたい。野性の獣を餌付けするな、と。小さな善意が、大きな悪意となって帰ってきている現実を直視して欲しいものです。