余計なお節介だとは自覚している。
でも、やっぱり気になるのが最近のジェネリック推奨の広告だ。たしかにジェネリック薬品は安い。国民健康保険の赤字に悩む政府としては、ジェネリック薬品の普及に努めたい気持ちは理解できす。
実際、年間で数十万円の医療費に悩む私は、少しでも安くしたい気持ちはもっている。ジェネリック薬品も使っている。決して否定している訳ではない。
オリジナルの薬品と、ジェネリック薬品は基本的な内容は同じである。ただ微妙に成分が違っている。その効果は同じだとされているが、医療の現場では必ずしもそうは思われていないのをご存じだろうか。
私は二十代の頃に難病治療の為に、副作用の強いステロイド剤を大量に服用していた。私の治療生活は、このステロイドを如何に減量するかがポイントであった。飲んでいれば確実に病気を抑えられた。しかし、そのステロイドの副作用は各自に身体を蝕んでいた。
それが分かっていたので、主治医のN先生はなんとか減らそうと悩んでいた。一日6錠のプレドニン(ステロイドの薬剤名)ならば病気を抑えられた。しかし、ここからの減量が大変だった。何度も失敗した。ステロイドを減量すると、難病が再燃してしまう。幾度となく失敗した。
N先生も悩み、漢方薬を併用したり、免疫抑制剤を併用したりと試行錯誤を繰り返した。そのうちステロイドもプレドニンではなく他のジェネリック薬品に変えることも始めた。たしか3種類くらい変えた記憶がある。
どの程度、効果があったかは私には分からない。ただ気が付いたら、それまでの限界とされた量を下回っても再燃しないで済んでいた。もっとも、赤信号(再燃)にならないだけで、黄色信号(再燃一歩手前)の状態は時折あった。
そのせいで、最終的にステロイド剤を切ることが出来たのは、最初の発病から12年ほど経っていた。ほとんど依存の状態であったので、ステロイド薬を飲まずに済むと分かっても、不安のほうが先だってしまい内心は怯えていた。
結果論ではあるが、ジェネリックを始めとして複数の薬を使ったことが、難病の治療に役立っていたのかもしれない。つまりジェネリック薬は、基本的な成分がオリジナルの薬と同じではあるが、微妙に成分に違いがあるのです。
このような経験があるので、私はジェネリック薬が必ずしも本来の薬と同じでないことを知っている。長期治療を必要とする患者にとって、薬代は経済的に非常に負担がキツイ。だから安価なジェネリックを使いたい人の気持ちは良く分かる。
でも、ジェネリックは本質的に疑似コピーであることも、心の片隅に刻んでおいて欲しいとも思う。もし医者がジェネリックの使用を渋るようだったら、それは医療の専門家としての迷いの証である可能性が高い。
余計なお節介だとは思うのですが、ちょっとだけ覚えておいて欲しいです。
ジェネリック医薬品を利用することはもちろんあります。確かに効きが今一つ違いますね。キレが違うので本来の薬剤にしてもらったり、ジェネリックに
してもらったりしています。