ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

バクマン

2015-11-10 12:06:00 | 映画

人間、年を重ねるごとに賢くなるし、狡くもなる。

若いころには出来なかったことも出来るようになり、若いころの未熟さを、少し恥ずかしく思い出すことも少なくない。絶対に、今の方が充実している人生だと思う。

それでも悔やんでいるのが、若い頃の情熱を失ったことである。十代半ばの頃は、二日で一冊は本を読めた。再読の文庫本ならば、一日で7冊は読めた。日がな一日、家にこもって、寝転んでの読書は、私を飽きさせることがなかった。

背中に40キロを超すザックを背負い、3000メートル級のアルプスを縦走し、踏み後を辿って藪に突っ込み、最後は林道を疾駆した。身体はボロボロで、精神的にも追いつめられたが、それも互いに笑って苦しさを誤魔化せた。

朝、8時前には出社して、退社のタイムカードを押すのは、いつも10時過ぎだった。くたびれた身体でアパートへ帰り、死んだように眠り、それでも6時には起きて身支度をしていた。

きつかったけど、精神的には充実していた。いつでも全力疾走できる体力があった。目標に向かってまい進する気力があった。なによりも、今の頑張りが、明るい明日につながると盲信できた。

今や夢か幻である。もう体力、気力、根気が続かない。それだけが残念だ。これこそ若さの特権だと思う。

ところで表題の映画だが、私は原作の漫画を読んでいない。だから原作との違いや、原作の魅力も分からない。だが、この映画が魅力的なことは良く分かった。

高校生の二人組が、漫画界の覇者である週刊少年ジャンプへの連載と、人気投票一位を目指して邁進するストーリーだ。サカナクションの曲も上手くミックスして、軽快にして爽快な作品に仕上がっている。

十代の頃の若さと未熟さ、情熱と失敗、友情と恋愛の瑞々しさと、軽い悔恨が映画の印象をより良くしている。原作を知らなくても十分楽しめる。興味がありましたら是非どうぞ。


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2 コメント

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Unknown (まえこ)
2015-11-10 19:22:58
主演の佐藤健くんが大好きなんですよ。
Beck、るろうに剣心とアニメの主役が多いですが、どの映画も良かったです。
これも観たいな。
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Unknown (ヌマンタ)
2015-11-11 12:16:05
まえこさん、こんにちは。この映画、原作を読んでなくても十分楽しめます。DVDでも構わないと思うので、是非ご鑑賞ください。
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