入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「夏」(18)

2022年06月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 久しぶりに夜中に起きている。午前2時、雨音がしていた。昨夜はウクライナ関連のTV番組を見ているうちに眠ってしまったらしく、目が覚めたら11時近かった。それから急いで布団を敷き、すぐに眠った。だからすでに6時間近くの睡眠をとったことになる。人によってはこれでも足りるというが、強い酒を飲みながらしばらくこうしていて、頃合いを見て横になればまだもう少し眠れるだろう。
 
 今飲んでいるバーボンは「Tennessee HONEY」とか言うだけあって、やたら甘い。甘いものが大好きなアメリカ人には人気があるのかも知れないが、1杯飲んだら口直しに他の酒がほしくなってきた。
 元来、バーボンはあまり好きではない。しかし、こんな夜中にビールをガブガブ飲むのも無粋なことと、まだ飲んでなかった1本に口を付けた。そのせいでか、呟こうとしていたことが霧散したようだ。
 雨は止んで、深い静寂が時の経過を忘れさせてくれる。口には合わなかったウイスキーの酔いが、快い刺激になってきた。音のない世界にも段階があるのか、無音がさらに深まったような気がする。
 
 きょう6月21日は夏至。1年のうちで最も昼間が長い。もっともこれは北半球のことで、南半球は逆に冬至となって、夜が一番長い日となる。地球の中心軸が20何度か傾いているせいだということらしい。
 あれから3時間ほど眠った。曇天ながら太陽の位置は雲を透かして分かる。このくらいの天気なら、きょう予定されているCGのテスト撮りにはうってつけだろう。この手の撮影には、あまり天気が良すぎても駄目だと聞いているからだが、ただし午後の3時ごろには雨になりそうな雲行きである。
 今では、たまさかのこんな副業に頼らなければならないのが現状で、残念だが本来の使命である牛の放牧だけではこの牧の存続は難しく、200頭からの牛がいた往時の入笠牧場は、もう、戻ってこないだろう。

 久しく放ったらかしにしていた家に今夜は帰る。昨年に比べても、山で暮らす日数が圧倒的に増えた。牧守16年の中で、14年間はほぼ毎日のように往復80キロ近くの通勤を繰り返したが、今になってみればその方が呆れるくらいだ。
 和牛たちは全頭が一団となって第2牧区に落ち着いた。囲いの中の乳牛は何の心配もない。そうそう、囚われの鹿は雌だと思ったら雄だった。テイ沢の丸太搬入もほぼ済んでいる。

 PCのメールがまた不調です。しばらくお控えください。
 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

     ’22年「夏」(17)

2022年06月20日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日、富士見へ下り食料を買って戻ってきたら、第2牧区の和牛たちの一群が谷の向こうに見えた。「弁天様」下の三叉路を過ぎたところで車を停めて、しばらくその動向を見ていた。群の先には落葉松やダケカンバの林があり、その手前の放牧地とは1本の電気牧柵で区切っているだけだ。
 2頭の和牛が草を食みながらその縦線に近付きつつあった。電牧の電圧は5000ボルト程度で、目標電圧よりか若干低い。できればその下の放牧地を仕切る電牧のように、そこも1本ではなく2本張っておけばまず心配ないのだが、充分ではない電圧の方を配慮、優先して敢えて1本にしておいた。
 牛は電牧に気付いているのかいないのか、草を食べるのにまだ余念がない。もう、電牧に触れてもおかしくない距離まで行っているはず、もしかすればどこかで断線しているかと気を揉みながら眺めていた。と、上にいた1頭が顔を背け、方向をを転じてゆっくりとそこから離れた。続いて、下にいたもう1頭も同じような動作を見せて逆方向に向かった。
 あの牛たちは下にいる時から電牧には慣れていると聞いていたが、鹿とは大違いのその落ち着いた振る舞いを見て安心した。ホルスよりか和牛の方が気が荒いはずだが、やはり家畜である。やればできるのに、強行突破をしようとはしなかった。
 最近では給塩の合図をするとあの和牛たちも、遠く離れた谷底の湿地帯からでも急な斜面を避けつつ、重い身体を揺らしながらやって来るようになった。入牧からまだ10日程度しか経っていないが、いつもながら牛たちが新しい環境に慣れるまでのこの間は長かった気がする。

 日曜日、いろいろな人が来る。特に今は小黒川林道が閉鎖されているからその問い合わせとか、キャンプ場で昼飯を食べてもいいかとか、便所を使わせろとも言ってくる。中には私有地ならその表示をしろとか、行政に文句を言うという人も現れる。気持ちよく応じたい場合もあれば、そうでない時もある。相手にも、その態度にもよる。とにかく牧守は一人だけ、それも人見知りの小心者だから、何卒お手柔らかに、クク。
 
 PCのメールがまた不調です。しばらくお控えください。
 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする