いい詩を書きたい。それを読んだ絵美さんがおもわずにっこりしてくれるような詩を書きたい。
絵美さんがにっこりしてくれたら、それでその詩はそこでいい詩になる。
*
絵美さんは雀のように飛んで歩く
ちょんちょんちょんと歩く
それで肩に掛かっている髪が
ちょんちょんちょんと揺れる
それを見ているだけで
ほのぼのとした気分になっている人間がひとりいる
この人間のひとりの処へ
絵美さんの雀が歩いて来た
ちょんちょんちょんとやって来た
雀にはノースリーブの二の腕があって
二の腕の白さがエッチでまぶしくて
人間のひとりはおもわず目を伏せてしまった
*
絵美さんは、非実在だから、この人間のイマジネーションの作品である。
イマジネーションだからほのぼのとしていられるのである。
これが実在であれば、絵美さんは、この人間のところへ雀になってちょんちょんと歩いてなんか来てくれない。
*
この人間は夕方よくサイクリングをしてひとりでいるさみしさを慰めている。
おとつい、サイクリングのゴール地点で、絵美さんらしい人に会った。小さな犬を連れていた。ほっそりしていた。
どうしたことかその絵美さんがちょこんと頭を下げて挨拶をしてきた。今までに会ったことはないはずである。
この人間は軽く挨拶を返して、照れたようにして急いで立ち去った。
そこでまた昨日同じ時間くらいの夕方に、サイクリングに出発した。絵美さんはやっぱり非実在だった。
鳥居の横を流れる小川の淵に赤いノカンゾウの花が咲いているきりだった。
絵美さんがにっこりしてくれたら、それでその詩はそこでいい詩になる。
*
絵美さんは雀のように飛んで歩く
ちょんちょんちょんと歩く
それで肩に掛かっている髪が
ちょんちょんちょんと揺れる
それを見ているだけで
ほのぼのとした気分になっている人間がひとりいる
この人間のひとりの処へ
絵美さんの雀が歩いて来た
ちょんちょんちょんとやって来た
雀にはノースリーブの二の腕があって
二の腕の白さがエッチでまぶしくて
人間のひとりはおもわず目を伏せてしまった
*
絵美さんは、非実在だから、この人間のイマジネーションの作品である。
イマジネーションだからほのぼのとしていられるのである。
これが実在であれば、絵美さんは、この人間のところへ雀になってちょんちょんと歩いてなんか来てくれない。
*
この人間は夕方よくサイクリングをしてひとりでいるさみしさを慰めている。
おとつい、サイクリングのゴール地点で、絵美さんらしい人に会った。小さな犬を連れていた。ほっそりしていた。
どうしたことかその絵美さんがちょこんと頭を下げて挨拶をしてきた。今までに会ったことはないはずである。
この人間は軽く挨拶を返して、照れたようにして急いで立ち去った。
そこでまた昨日同じ時間くらいの夕方に、サイクリングに出発した。絵美さんはやっぱり非実在だった。
鳥居の横を流れる小川の淵に赤いノカンゾウの花が咲いているきりだった。