<おでいげ>においでおいで

たのしくおしゃべり。そう、おしゃべりは楽しいよ。

蛇の行は完成をしない

2014年07月25日 12時42分41秒 | Weblog
みずからをよしとしてはならない。



嘗てみずからをよしとすることにのみ一生を費やした蛇が

今生ではそれを悔いて、草藪に居る。

悔いて悔いているが、最近はそれで己を暗くしてしまうような悔いからは離れている。



草藪にはちろちろと水が流れている。

草藪に居るときには、草藪をよしとする行に取り組んでいる。

水に浮いているときには、その水をよしとする行に取り組んでいる。



みずからをよしとしてはならない。

他を悪(あ)しとすることでもって、己を善(よ)してはならない。



蛇の行は完成をしない。

いつまでたっても完成をしない。

どうやらもう一生これにかけるようだ。
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静かに貝の蓋を合わせる

2014年07月25日 12時08分45秒 | Weblog
へ。へへんのへ。
へ。へっぴり腰のへ。
へ。へらへらのへ。

三郎はへの男だ。

へ。へはうすっぺらな篦(へら)の形(なり)をしている。



屁もよくへる。それでへいちゃらのちゃらちゃらだ。

世の悪に挑みかかろうという正義心もない。

へらへら笑っている。

へっぴり腰だから浮き足したようにして歩く。

さまにはならない。なんとも無様(ぶざま)だ。

そのくせ、へへん、へへんと空咳をして、正義を擬態する。

それが自分でも可笑しくってならないから、またへらへら笑う。

どっち道へらへらしているから、人間が軽い。

一蹴りで野原の向こうまで飛んでいってしまふ。



飛ばされた三郎が合歓の花の木の下に来ている。
その場に不似合いのくせに、似合っているようなそぶりをして、そこに立っている。
涼しげにしている。

合歓の木も合歓の木だ。
いい加減な木だ。ものを見ていない。邪を邪と見ることができない。
そこに粗悪な三郎を見ておりながら、あっちへ行けとも言わないでいる。
夏の青空に澄み切ってうっとりしている。

合歓は、歓を合わす貝の木。
みずからの安らぎを歓喜の蓋にして、来るものを厭わず、静かに貝の蓋(ふた)を合わせる。
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暑い暑い夏でよかったとしみじみ思う

2014年07月25日 08時51分50秒 | Weblog
曇り日。

曇りだから、日は照っていない。
でも、蒸し蒸しする。

扇風機を回して涼を求めているが、熱を帯びた身体はなかなか冷えない。
冷房をすればいいではないかと思うが、これをすると腹が冷えてぐじぐじ痛み出す。

我が家の中だから、半袖の下着1枚きりで居る。
ここは山里だから、滅多に人が来ることはない。



暑さを凌ぐには、暑い中に出た方がいい。
背中に汗をたらたら垂らしながら、畑に出る。
移動椅子に座って草取りをする。

もくもくと作業に勤しむ。
すると時折南風が渡ってくる。
一瞬の涼をかたじけなくする。これがたまらない。

草負けするから肌はできるだけ隠している。
頭部から汗が滴り落ちるのを防ぐために、タオルを巻いている。
藪蚊が襲ってくるから、腰には左右に蚊取り線香を燃やす。

抜いた夏草は夥しい量になる。これを竹で編んだ笊に乗せて何度も運ぶ。
えっちらえっちら、よろよろよろけながら畑の隅っこまで運ぶ。
これが腐って堆肥を作るので、やがて土を耕すときにこれを埋めることになる。



数時間後、戻ってくる。
着ている作業着は汗を吸って背中にべったりへばりついている。
熱中症の一歩手前だ。

風呂場に直行して冷水シャワーを浴びる。
ジャージャー浴びる。
網目状タオルに石鹸をまぶして全身を洗う。

我が家は井戸水だから夏はひんやり冷えている。
これで全身が氷の柱になる。
快感の真っ只中の氷の柱は、暑い夏で良かったとしみじみ思うことになる。



今日は曇り日。
雨がいつ降り出すか分からない。
蒸し蒸しする家の中に居て、汗を掻いてぐうたらぐうたらして過ごす。
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