外に出て丸椅子に腰掛け、そろりそろり根深葱の土寄せをして遊んだ。列の半分まででストップ。お昼ご飯になった。被せた土の下が白葱となる。成長分岐点を越えて土を被せてはいけない。今年は成長が思わしくない。ほっそりしている。どうしてだか分からない。美人志向なのかなあ。今晩にでもあつあつふうふう鍋物料理をしたいのだけど。
お天気がさっぱりしないなあ。どんよりしているなあ。雨は降っていないようだが。光があまり射して来ない。けど、思い切って外に出てみるとするか。金木犀に這っている山芋の落葉がひらひら舞っているから、風は少し吹いているのだろう。外に出て何をするか。ともかく作業着に着替えてみよう。何をするかを決めるのはそれからだ。外に出てみてからだ。
「ハイヤーセルフ」というわたしが存在している。「よりよく高くなったわたし」である。「わたし」という存在が過去から現在未来まで縦列に列んでいる。それぞれの進歩の度合いが違っている。
わたしたちは方向性を持って進んでいるのである。一つのゴールへ向かっているのである。ちゃんと目的地を定めているのである。目が見えているのである。ふらふらはしていない。そういう設定条件の下で「わたしの進歩＝アセンション」の様子を見て見るのである。わたしが「仏に成る」というのが進歩の一つの到達点である。法華経は其れ（わたしがやがて成仏すること）を説いている。
わたしは寸断されているようにわれわれは思っている。死で以て寸断されている、切断されていると思っているが、それはこの時点でわたしを構成していた肉体のありようであって、わたしのすべてではない。しかし、「わたし」をそんなに狭義に取ることもないのではないか。点（ドット）としてではなく一筋に伸びた直線と見てもいいのではないか。その直線上に無数の「わたし」が立っているのである。「変容をしていくわたし」がいままさにそれぞれで変容を遂げているのである。「より高くなる」という変容を遂げているのである。
ハイヤーセルフが無数のわたしを導いている。その導いているハイヤーセルフもまたそれよりも「もっと高くなったわたし」に導かれている。その直線の先端にいるのは、仏陀である。わたしはそのように解釈をしている。神と呼んでいる人もいるだろう。
それぞれが修行をしている。波羅蜜という修行をしている。いまのさぶろうもまた今の進化の段階の修行をしている。のろのろに見えているかもしれないが、今の段階のさぶろうにはこれが適当な速度である。「無数個のわたし」「広大なわたし」「永遠を生きるわたし」が相俟ってそれぞれの修行をしていると思うと、わたしは愉快になる。
美しい詩を読んで美しくなりたい。美しい心になりたい。清らかな詩を読んで清らかになりたい。清らかな心になりたい。柔らかい詩を読んで柔らかになりたい。柔らかな心になりたい。温かい詩を読んで温かくなりたい。温かい心になりたい。安らかな詩を読んで安らかになりたい。安らかな心になりたい。神さまの書かれた詩をいつも読んでいたい。此処其処に立ち止まって静かに仏さまの書かれた詩も読んでいたい。神さまの心や仏さまの心にはなれないけれど。
紅葉の季節となった。今日から九年庵が開園する。観光客で庵内が溢れる。入り口までの行列も長い。旅行業者のパック旅行だろうか、貸し切りバスが列ぶ。さて、今年のもみじの焼け具合はどうだろう。その奥に位置している仁比山神社の紅葉も毎年美しい。我が家の庭のもみじの大木はどうもさっぱりしない。
