都道240号は父島循環線、241号は母島南北線、236号は青ヶ島循環線(崖崩れ箇所あり)。
御蔵島は233号線かな、と思いましたが、223号線の「御蔵島循環線」でした。
全国版の日本地図帳では、島1周を描くようになっていますが、実際は島を時計に見立て、12時の起点は桟橋、終点は4時の「南郷」あたりの15キロでした。
時計の反対回りの12時から8時あたりまでは村道。
御蔵島ではレンタカーやレンタバイクはなく、基本的に自分の足で移動、ということになります。
宿に頼めば、クルマを借りられることもありますが、ドルフィンウォッチの送迎に使っているみたいなので、ゆっくり景観を楽しみながらのハイキング。
今回は都道の時計回りに歩くと、「どちらまで行くんだ!?」と声をかけられました。
御蔵島ではバスやタクシーがないので、同じ方向に向かう辺鄙なところを歩く人を見つけては声をかけて乗せるようにしているみたいです。
「いいですよ~。ありがとう」と身振り。
言葉に甘えてしまうと、宿に戻る時間が早まり、暇をもてあますことになってしまいますので・・・(笑)
季節はまだまだ夏でも、森は正直。
森の色は秋の装いが少しずつ・・・。 ここの都道はとても親切。
1キロごとに緑色の看板、100メートルごとに青い杭が道端に設置されているので、どれくらい歩いたか把握できます。
途中で見かけた、「かのき工房」さん。
苔を使った植物のお土産品が売られていました。
人がいるのかな、と思ったら無人。 ギョ!びっくりした。
ヘビがいました。
いきなり出くわすと、心臓が止まりそうになります。
ハイキングガイドマップに「日なたにはよくヘビがいます。いじめなければ、かんだりしません」と書かれているとおり。
マムシはそんなに長くはなく、ハブは顔に輪郭が目立つものなので、毒ヘビではない。
ここからは三宅島が見えるはずだが、今日は見えませんでした。
ひたすら歩き、ハイキングマップによると、都道沿いの巨樹「シイノキ」まであと少し。
気が付くと、このあたりは4キロ地点。
内地だと4キロは遠く感じるのに、ここはなぜか近い。
4.8キロ付近でやっと拝めました。
全国で2番目に大きい巨樹は、南郷地区の「堀井戸のシイ」。
ここは南郷よりも小さめだが、都道沿いで観察できる巨樹。
説明文をよく読まないと、ここが全国2位の巨樹だと勘違いしそうです。
横に生えている幹も、巨樹と一体化。
樹齢は何年だろうね・・・。
太平洋戦争中、米軍の戦闘機が島の上を飛び交っていたが、爆弾を落とさなかったため、太古の自然が残っているみたいです。 この先ずっと都道は続いていたが、終点の南郷まで目指すとしたら、あと10キロ。
秋の日暮れは早い。
日が暮れないうちにUターンしたほうが良さそう。 腰をかけられる、休憩所らしいものはなく、さっきからずっと歩きっぱなし。
ここで休憩したくても、苔が生えていて、座れない。
江戸時代、江戸で起こった犯罪で島流しの刑を受けた人たちは、伊豆諸島に流されていた。
しかし、途中からは生活苦のひどい島に流人を送ると余計に混乱を招くので、三宅島と八丈島が主として彼らを受け入れ。
その島で犯罪を起こした流人は「島替え」と称されて御蔵島に送ることもあったそうだ。
島の名主を斬殺した近藤啓次郎という流人が追い詰められ、腰をおろして観念していた石だそうです。
ここで腰掛けるのはちょっと気がひけるので、ひたすら里方面へ。 9月7日(日曜日)17時34分。
御蔵島で見る夕陽はとてもきれい。
その画像を東京の友人にメール送ると・・・
なんと東京ではゲリラ豪雨、落雷、電車もストップしているとか。 夕陽が分刻みで変わり、17時45分の風景はご覧のとおり。
海面上で輝く光が少しずつ消えてしまいました。
小笠原・青ヶ島・沖縄・稚内・御蔵島・・・場所は違っても、どれもきれいです。