7月25日上野21時16分発の「あけぼの」から始まり、青森、蟹田、三厩、蟹田。ここまでは東日本会社線。蟹田から北海道会社線に乗り換え、竜飛海底、駅構内見学、竜飛海底から木古内、本日の宿泊地になる江差には7月26日18時58分到着。22時間近く汽車に乗りっぱなし。
22時間近くといっても、最高峰は実家の長門二見から東京まで全区間新幹線を使わず「普通列車」。ずっと昔、国鉄急行型電車の165系(または169系)が健在だった頃の話。長門二見を朝8時に出発し、第2ランナー下関~岩国、第3ランナー岩国~岡山、第4ランナー岡山~姫路、第5ランナー姫路~米原(京阪神圏を時速120キロで疾走する新快速)、第6ランナー米原~大垣、最後は大垣~東京(大垣夜行)。翌朝4時42分到着。要所時間はおよそ21時間。青春18きっぷが使える期間だと、上京するのに当時2枚(約4600円)、帰郷するときは、東京~横浜の乗車券を用意し、0時を過ぎてまるまる1日乗れる1枚(2300円)。山口から東京に行くのに24時間近くかけても、このようなやり方ばっかり好んでいました。道中の食事はもちろん、乗換駅で駅弁を見つけては車窓を眺めながら・・・。今の時代、ANAの旅割55を使えば、山口宇部から羽田まで1時間半、運賃はなんと1万円を切って9970円っ!!
東京からの帰りも、もちろん大垣夜行を利用。全席自由席なので、夏休みの多忙期だと座れなくなる。夕方5時頃から東京駅ホームで陣取り、古新聞を敷いて7時間後出発するのを待ち。今考えてみれば、よくこんなのヒマだったの!?と思えるくらい。快適なグリーン車を使えばいいのにと思われたかも知れませんが、当時の私はとても貧乏だったから・・・。
早朝、大垣で米原行に乗り換え、米原から新快速で一路姫路。姫路から新幹線で帰ればいいのに、新幹線特急料金をケチって全区間普通列車にこだわりすぎたのか、長門二見に着いたのは21時過ぎ。行きも帰りも要所時間21時間。若いときはこんなの平気だけど、今はさすがに難しい。「特急」利用で22時間なら大丈夫。
22時間近く乗りっぱなし、やっと江差駅到着!!
ワンマンカーなので、江差に着いたら、運転士さんに切符は回収されるはずですが・・・ありませんでした。
JR西日本の山陰本線ワンマンカーは結構厳しい。JR西日本の本社は大阪だから。ケチでせっかちとされる浪速(なにわ)っ子気質は、山口の長門鉄道部も浸透しつつ。
その証拠は・・・
平成4年当時の山陰本線は今みたいにワンマンカーではなく全列車「下関車掌区」乗務でした。
検札する区間は、いつも決まって、下関都市圏を抜け、一段落する小串~湯玉間。不正乗車を一網打尽するかように1人1人ビジバシ検札!!検札パンチは桜マークに「い」「ろ」「は」・・・切符アルバムを広げてみたら、下関からの切符にそのような模様が浮かんでいます。今の時代、パンチの代わりにスタンプ方式のチケッターに。
車掌さんは乗客の顔を車内巡回するたびに覚えているので、たとえば途中からの回数券または定期券でキセルや下関の入場券(140円)で帰ろうとする輩がいれば、口頭で厳重注意し、不正した分の3倍運賃徴収。計算方法は、キセルに使った切符類は無効とし、乗車駅から下車駅まで3倍の運賃です。過去最高峰のキセル検挙は、東京に通勤する栃木県のサラリーマンが野木~古河の定期と、東京付近の定期の組み合わせで長年もキセルしていたことが発覚し、その年数に加え、3倍の運賃。何千万円もの罰金支払いを命じられたと自動改札機が導入される前のニュースで聞いたことがあります。そのようなケースは刑法で詐欺罪にあたり、厳重な刑罰を科せられるのは当然なことです。
JR北海道はかつての下関車掌区のようなやり方ではなく、乗客を信頼しているのかチェックなし。
無人駅で乗車券を記念に持ち帰りたい場合、車掌乗務であれば、車掌さんに事前申告。「無効 列車番号にレチ (認印)」と記入してもらいます。ワンマンカーの場合、運転士さんに「無効 列車番号に ウテ(認印)」を記入してもらうルールがあるので、運転士さんを捕まえ、自分の筆記道具を差し出し、サインを強要してみましたが、「ひひひーっ!!大丈夫ですよ!OKです!!」と逃げられてしまいました。(レチ・・・車掌の電報略号、ウテ・・・運転士)
山口県の美祢線・大嶺支線も谷に眠る終着駅。
大嶺支線が1997(平成9年)3月31日限りなくなってしまうので、わざわざ東京から実家に帰った次いでに惜別の旅に出かけました。
美祢線の本線から外れるので、支線の乗車券を用意。当初、JR北海道の「南大嶺 → 大嶺」だけど、ちょっと厚かましいような気がして、みどりの窓口がある長門市駅でもう1枚追加購入。模様は西日本の「W」。北海道は「北」。
「行きと帰り、乗ります。乗車記念お願いします」とお願いしたら、自らのポケットから筆記道具を取り出し、サイン。
もうすぐ廃線になる、運転士さんのサイン入り。
筆跡からみると、かなり達筆。達筆だから、サインしてもらったけど、江差線の運転士さんは自分の字に自信はなかったでしょうか・・・。
江差線もなくなるので、「無効 124D ウテ(氏名)」くらいサインがあれば・・・。
江差駅の話になるところが・・・いつの間にかに山口県の鉄道に脱線。次回はまともに江差駅をアップする予定です。