シャッター通りになっていた昔の商店街三井別館の女湯(男湯はもっと広い) 海外の旅で草臥れた身体を癒すため急に郷里の温泉療養の旅を思いついた。金婚も過ぎ夫婦年齢合計162歳。地球千鳥足の旅で記事を書き9年半、いつも追い駈けられ、日本に帰っても気持ちに余裕がない。今回国内逗留(?)の旅広告を見て皆生温泉3泊4日の休養旅行に。皆生は我々夫婦の出生県鳥取県は米子市から車で10分、海に湯が沸く温泉、源泉は85度だ。出雲大社を含めて近隣は殆ど見終っているので観光不要、墓参ぐらいはして温泉に浸かりノンビリしようと企画した。我々夫婦の旅は通常海外、バックパックの個人旅だ。旅と投稿を生き甲斐の1つとして現在に至っている。「世界遺産より人間遺産を!」の合言葉で出会い中心の旅をしてきたが、大いに生きる刺激を得てきた。単独で、あるいは夫婦で、ある時は別々の国から出発、目的地で待ち合わせした。会えた時はカッチンと乾杯、時間ずれで会えずハラハラしたこともあった。携帯電話の無い時代に始めたのだ。辛抱強く待つしか仕方がないこともあった。
さて休養のつもりで温泉に出かけたものの、結果は9組の人たちに会った。貧乏症なのだろう。ノンビリとはいかなかったが、夫婦別行動もあり、且つ1日5回温泉に浸かったのだから、しっかり英気を養えた。部屋続きの椅子に座ってホテルの庭を眺めながら人生を回顧した。窓外に可愛い鳩が終日巣を温めていた。もうむやみに動き回る年齢ではないと思った。多少のガタがあり、いつ倒れてもおかしくない身体になったと自覚する。疲労が大きいのは特に頭脳だ。回り道をしながら判断し事態を解決しなければならないからだ。
たまには休養もいいものだ。静寂そのものの環境でひと時を過ごせたことに感謝した。(自悠人)
部屋の窓から見える三井別館の庭 この枝に鳩が巣を温めていた