百人一首のスペイン語訳を出版した元駐ベネズエラ大使、伊藤昌輝さんの記事が朝日新聞の人欄に出てすぐに本を注文(親切青年K君がアマゾンで)、10日には手にした。著者は中南米で大使をした人だ。百人一首もスペイン語も大好き、中南米諸国は全て訪問した筆者にピッタリの本だと購入。一首ご紹介しよう。
崇徳院 瀬を早み 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思ふ
Sutoku In Como agua
Del torrente del rio
Que se precipita hacia abajo
Podemos ser partidos por una roca,
Pero al final
Seremos uno otra vez.
「川瀬の流れが速いので、岩にせき止められる急流が、一度は別れても再び合流するように、愛しいあの人と今は…別れていても、行く末は…」と現代語訳もつき、付録にCDもついている。CDのスペイン語は懐かしくも歯切れの良い語感だ。アメリカの大学で教えていた時、教授連は自由に他のクラスに参加出来たのでよくスペイン語のクラスへ。教室で教授の言葉が聞き取りにくいと、しょっちゅう「Otra vez, por favor!=もう一度お願いします!」と尋ね、「オトゥラ・ヴェスさん」と綽名がついたこと、懐かしく思い出した。中学時代の初恋の人は近年亡くなったと聞いた。夢の世界で、「otra vez あはむとぞ思ふ」(彩の渦輪)