友人の祐子さんとシネカフェ・ソトという会場で、しんやととしおの映画塾に参加した。15:00~17:00、沈黙(サイレンス)で始まり、メモ魔の筆者だがメモする余裕なく懐かしの映画の数々に惹きこまれた。出演は「カントク」の愛称でおなじみの映画監督、山本晋也氏とNHK衛星映画劇場三代目支配人、渡辺俊雄氏。渡辺氏は机上にビデオを20箱以上積んでいて、参加者の皆さんが過去に観たであろう多くの懐かしい映画の主要部分を見せつつ解説、カントクは含蓄の深いコメントを発して笑わせたり感動させたり。先頃亡くなった樹木希林さんの映画や寅さんものはもとより、ジョン・ウェインや懐かしいケーリー・グラントとデボラ・カーのめぐり逢いのクライマックス・シーン、そしてリメイクの話題では市川昆さんのビルマの竪琴や、日本版七人の侍が荒野の七人へとリメイクされた、等、興味深々の映画解説で、初参加の祐子さんは特に面白かったようだ。筆者は冒頭の、遠藤周作原作、マーティン・スコセッシ監督の沈黙(サイレンス)を再観賞でき、有意義な映画塾だった。江戸初期、切支丹断圧下の長崎で「転ぶのだ!」と踏絵を迫られ、”転ぶ”ことが出来ず荒波の海に放り込まれる信者たち。解説には「人間の強さと弱さをあまりにも尊く描いたマーティン・スコセッシ監督」とあったが、感動と強烈な胸苦しさが暫く居座ることだろう。(彩の渦輪)