地球に優しいバギーでラララ
地球千鳥足夫婦が世界を歩きつつ口にする嘆き節:夫「車が地球を滅ぼす!」妻「プラスティックが地球を滅ぼす!」だ。ドミニカ共和国のような海に囲まれた平和な国でも路上は車の数珠つなぎで排気ガス吹き出し放題。インドはカシミール地方、風光明媚なタール湖にも、マチュピチュの麓の美しい川にもプラスティックの容器が渦巻き、アマゾンの奥地の小村では紙とプラスティックを一緒に燃やしていた。水も空気も汚染され続ける地球!だが、馬の蹄で軽やかに走るバギーは地球を汚さない。「ラララ、車を止めてバギーにしよう、緑の街によく合うバギー、貴方も私もバギー、バギー!」とバギー賛歌を歌いつつ、せめてこれぐらいは、と公害を生まぬ車に切り替えた。
シンプルライフは若者にも魅力
北米最大というオハイオ州、ホルムズ郡のヘリテージ博物館は一訪の価値がある。Heinz Gaugelが描いた一大絵巻にアーミッシュ&メノナイトの歴史が世界史と関連させてリアルに描かれ、円形に一周する。幼児洗礼を認めず再洗礼派と呼ばれるアーミッシュは16世紀、宗教改革の嵐の中チューリッヒで生まれた。迫害を受け結束を固め、その後ドイツに移住し、17世紀の30年戦争時アメリカへの移住を決めたアーミッシュ。北米ではペンシルベニア、オハイオ州等28州やカナダに20万人以上が住み、南米にも分布が見られる。ここで夫が質問した。「アーミッシュ村は若者が出て行きシニア村になっていない?」と。答えは「否」だった。「そんな時期もあったが今は若者の比率が多い」そうだ。若者だけでなくアーミッシュ全体の人口増が報告されている。利便性を追求するあまり地球を破壊し続ける我々先進国の生活の反省から、人々は、交通事故、公害や犯罪のない平和な社会を希求するアーミッシュ社会に誘引され始めたのだろう。
筆者の人生を振り返ってみた。小虫のように急ぎ足でやみくもに歩き廻り、立ち止まることも少なかった人生。時がゆっくり流れる心豊かな社会、アーミッシュ・コミュニティーに移住出来れば…と今心から憧れている。(彩の渦輪)
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