かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

回収できなかったサービサー

2007-10-12 | 事例
最終的に残った債権者はサービサー2軒と保証協会です。

Q子は夫の急死で後を継ぎ、社長です。
夫以外に保証人は居ませんでした。銀行と揉めている最中でした。
Q子は知人の助言で、いざと云う時も個人責任を追及されないように
相続対策をして、サービサーとの交渉に備えて居ます。

債務さえなければ自力でやっていける会社です。
「会社を頼む。」と云った夫の意志を守って、今の会社の続行をしたいです。
それに第2会社では入札業者の資格も取れません。

残額が僅かな保証協会は、後の保証依頼もありますから、
全額返済のつもりです。とりあえず、僅かな返金で了承して頂きました。

しかしサービサーは違います。
一生かかっても返済できる額ではありません。相手が諦めて呉れるか、
さもなくば廉額の和解しか有りません。

ほぼ同じ頃、2社のサービサーから呼び出しがありました。
Q子は、知人を経理の責任者と偽って二人で出かけました。
債権額1億3000万のサービサーAは担当も部長も腰のきわめて低い紳士でした。
Q子の話にも耳を傾け、お互いにできる範囲で早急に和解しよう、
Q子は払える額を提示すると云う事で別れました。
債権額2億6000万のサービサーBは少し違います。
少し神経質のような担当者は、口では大分脅しの文句も吐きます。
此れも返済できる額を早急に連絡しますと云うで別れました。

Q子は、和解金は全部で500万と覚悟して居ます。
A社とB社で200万と300万です。サービサーには借りて調達しますと云いました。
一時金は借りて払えますが、分割は自分の稼ぎの中から払わないとなりません。
Q子は分割と云う話は1円でも乗れないと思っています。
一旦口から出した金額は絶対に変更しては駄目ですと知人から強く言われています。

Q子はA社にもB社にも同じように言いました。
お金は借りて払う事も言って有ります。
A社は親切です。「ご事情は解かります。先ずメインのB社と先に
交渉してください。
私どもは其れが終わった後で、見習ってやりましょう。」
B社は違います。「800万でなければ駄目だ。」と云うのです。
300万しかお金が無ければ残500万を3年で払ってくださいと云うわけです。

地方都市と東京ですから電話での折衝ですが、長い電話を何回も
やり取りしていません。一寸長い電話が2回だけです。
交渉は決裂しました。
「当社は法的回収に入ります。」
「止むを得ません。では300万も借りることは止めます。」

Q子は此れで会社も終わりだなと思いました。
銀行や売掛金が差押さえられれば、只ですら危険視をして
居る同業者・仕入先は直ぐに取引を止めるでしょう。
第一恥ずかしくて、プライドの高いQ子には商売など続けられません。

しかし翌朝、今度はA者の部長から電話がありました。
昨日の部下の非礼を詫びて結論は「350万払って頂けないか。」と云うのです。
此れでB社は片付いたのです。

Q子はA社ならば、和解は簡単に出来ると思っていました。
B社と雰囲気が全然違っていたからです。
改めてB社の報告とともに和解を切り出そうとしたQ子の前に
現れたのは以前の担当ではありませんでした。
「以前の担当は都合があって退社しました。私が後任の者です。」
部長は変わっていませんが、何となく嫌な気がします。

やっぱり先方の切り出しは1300万でした。
B社の例を出すと「B社さんはB社さん。うちはうちです。」で取り上げません。
「前の担当者はA社は差押などしませんと云っていました。」と云うと
「確かに其れはわが社のモットーです。でもQ子さん。貴方のように
全然話に乗ってこない人は別です。差押も検討します。」
と平気で云います。
Q子は本当に差押をやりそうだと感じたのです。
もう1度、検討し、お答えしますと云って帰りました。

知人は「訴訟を起こ透けれど平気さ。差押なんて簡単にしないよ。
其れより雰囲気に負けて、当初の線を変えないこと。」と発破をかけます。
Q子も覚悟しました。
「申し上げた以上は出来ません。」
「では法的回収に入らせていただきます。」
今回も交渉は決裂です。

訴訟がありました。知人の言う通り放っておきました。
敗訴の判決が届いたために直ぐに差押があるかと覚悟しましたが、
此れも差押などありません。

そのまま1年近くたったでしょうか。
電話で請求です。以前と同じ内容が繰り返します。
今度こそ、本当に差押えられると覚悟しましたが今回も何もありません。
「何時かは1度、銀行を無作に差押えられます。
其れが空振りしてから和解があるでしょう。」
知人は平然として居ます。

それから又1年近く経ちます。
この間、景気は悪くなる一方です。
借金の返済さえなければ大丈夫と信じていた会社が、
続けることが難しくなって居ます。

今のうちならば仕入先や下請けに迷惑を掛けずに整理できそうです。

Q子は税務署に廃業届けを書いています。
A社も永久に回収は不可能でしょう。





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