かっ飛ばせ借金 打ち勝て倒産

 
 ‐オグチ経営研究所‐

 ☆★自分でできる経営の再生と整理★☆

  

みみっちい差押

2007-10-26 | 事例
「一昨日、差押されたみたいです。」
夕べ電話が入りました。
銀行に預けてある、主人と奥さんの預金が差押になったらしいです。

お二人とも70歳を過ぎています。
住宅ローンの競売の残債が元金で800万ほどあります。
サービサーを転々として今のサービサーは3代目です。先の2社は
譲渡を受けたという知らせと譲渡しましたと云う知らせ以外は
何も有りませんでした。今回のサービサーは少し五月蝿いです。

つい前日も、電話でこう云われたそうです。
「奥さん今のうちに払って置かないと、奥さんでも旦那さんでも
万一のことがあれば、今の借金は全部相続されてお子さんが
払わないとなりません。その頃になると延滞金で大変ですよ。
今の何倍の金額になりますよ。」

心配する奥さんに、私は次の様に答えております。
「心配は無用です。相続する資産もありませんから。
その時は相続放棄をしましょう。普通相続放棄は他界して
3ヶ月以内にしなければなりませんが、この場合は相手から
相続人に請求があってから3ヶ月の間に放棄すればよいですよ。
何も心配することはありません。」
そして、相続放棄の方法を説明しました。
サービサーは何も知らない者を脅すと云う事しか出来ないでしょうか。

破産をすれば面倒ではないけれど、二人で40万掛かりますと
弁護士に云われたらしいです。そんなお金、とてもありません。

「預金だけは注意するようにあれだけ言いましたが、
其れでもやられたのですか。」訝る私に弁解します。
「預金だけは気をつけてください。忘れた頃やってきますから。
そう教えて頂い他ですが、住宅ローンが払えなくなってから
10年近く経ちます。その間、ずうっと注意して来ました。
まだ1回も差押が無い物ですから、ついもう大丈夫と思って、
郵貯も、近くの銀行も利用し始めました。其れがやられたのです。」
その気持ちは充分に解かります。

郵貯で主人名義が4000円、近くの銀行で妻名義18000円が
やられたと云う事です。
「人様が見れば笑うようなお金かも知れませんが私ら夫婦には
4日分の食事代です。でも本当の虎の子の30万は少し遠くに
預けてありますから無事でした。此れは教えのとおりにやって居て
よかったと思います。何れにせよ今後はもっと気をつけます。」

病院通いの多い70過ぎの老夫婦、次の年金までのつなぎの22,000円を
差押えて、其れが効果あるでしょうか。破産も出来ずに10年間、
いろいろの不便を耐えてきたのに、それでもまだ苛めるのでしょうか。
銀行はサービサーに苛めなさいと云って居るのでしょうか。

10日位の前の話です。こんなことも有りました。
地方の債務者の方です、その方からメールが入りました。
近くの小島に住む、保証人の叔父から、「裁判所から書類が届いた。」
と云う知らせです。
内容を聞いて見ると、金融機関の名前が4行書いてあり、
この差押を取り下げるとなって居るとの事です。
何か知らぬけれど預金差し押さえが有ったらしいと云うのです。

心配のなって近くに住む独り者の、此れも保証人の次男に
聞いて見ると何か裁判所から書類が来ているが開けてないとのことです。
預金の差押かも知れないよと云うと、何もないから心配ないと
取り合わなく為りました。

二人とも、当人の知らぬ間に銀行を差押されて、1円も被害が無く、
差押は終わっています。小島の金融機関は4軒しかありません。
その何処にも1円の預金すらない人が、預金を差押えられて居たのです。

良かったと思うより先に、なんで1円も預金が無いんだと云いたくなります。

私のところに相談に来る人が偏っているかも知れませんが、
最近こんなみみっちい差押が増えてきたように思います。
力の無い者を徹底して攻め、効果を挙げようとする作戦でしょうが、
それには人を人として扱う気持ちが無くなって居ます。

サービサーの担当者もこんなことはしたくないでしょう。
其れをやらせるもの、其れが悪いのです。

法を作る人、守らせる人、不良債権の回収よりも
先ず人間の気持ちまで回収しないように祈りたいものです。





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