弘前の目抜き通り土手町にある「開運堂」さんは、明治12年創業の老舗和菓子店。昭和3年建造のレトロで懐かしい店内には、季節の生菓子などがいろいろ並んでいますが、中でも津軽藩の旗印の「卍」(まんじ)をかたどった「卍最中」は弘前を代表する銘菓です。
卍模様の皮ではさんであるのは白あん、なのですが・・・
小豆もはいっているんです!これはびっくり。めずらしい!あんは甘めでとろりとしています。
母によると、この地域は、昔、砂糖が貴重品だった名残りか、すごく甘いお菓子が多いんですって。甘いもの=貴重、贅沢、ハレのもの、ということでしょうか。
寺町である津軽藩の旗印だった「卍」は、現在は、弘前市の市章になっていて、町を歩いているとあちこちで見かけます。
開運堂さんのお店にも「卍」が!
昭和のお菓子やさんらしく、こちらのお店では洋菓子も大人気。ロシアケーキを買ってみました。
4種類、あったかなぁ?
選んだのはチョコと、3色チョコ(ホワイト、ミルク、ビター)。クッキーは、上はピーナッツ風味のざくっと固めの生地、下はさっくり白い生地の2段構造。ロシアケーキは明治時代に流行ったお菓子なのですが、老舗店が店をたたむにつれ、扱っているお店もずいぶん少なくなりました(京都の村上開新堂もその1軒)。 弘前では、このお菓子もずーっと愛されてきたんですね。弘前のお菓子文化、深い!
帰りに、駅ビルの中にあった開運堂さんの店舗でみつけた林檎羊羹。
今回はあきらめましたが、開運堂さんのアップルパイも気になります。
開運堂さんの近くには、こんなお店も。
明治32年建築の「一戸時計店」。赤い屋根の時計台は、今も土手町のシンボルです。こういう建物があちこちにあって、ふらりと歩くのが楽しい町です。
開運堂
弘前市土手町83 0172-32-2364 9:00-18:00 休:火
百石町展示館のほぼお向かいにある「菓子処 笹の舎」は、りんごスイーツで大人気の「ラグノオささき」さんの系列店。こちらにも、りんごをつかったお菓子がたくさんありました♪
こちらは、和三盆をつかった「りんご花実」(¥1050)。りんごの花と果実をかたどったかわいらしいお干菓子です。かわいいでしょー。りんごが黄と赤と2色あるのもすてき。カタチだけかと思ったら、りんごファイバーも入っているみたいですよ。干菓子にしては少し大きめサイズです。
こちらは「旅さち」。
パイの上にりんごの甘煮をならべた一口お菓子。ちょうど、りんごの半割した断面ですね、これ(笑)。りんごの歯ごたえもシャキシャキしてて、りんごをちゃんと食べている感じがします。りんごの下には白あんが隠れているところが東北らしい!
このお菓子、第25回全国菓子大博覧会で金賞を受賞した自信作。かわいいし、おいしいし、一つずつ個装されてるから、職場のおみやげなどにもおすすめです。5個で¥550だったかな?1個売りもしています。
お次は、「やっこいサブレ」。
りんご風味のキャラメルチョコレートをつつんだ、しっとりやわらかサブレです。「やっこい」というのは、東北弁で「やわらかい」という意味。生サブレのお仲間、といってもいいかしら? 封をきると、ふわーっと甘いりんごキャラメルの香り!こんなに薄いのに、ちゃんと端までキャラメルがはいっているからスゴイ。りんごも卵も青森県産、地元にこだわったお菓子です。
「笹の舎」さんの店内には、「世界でいちばん小さいりんごの博物館」があるんですよ。細長い小部屋に、りんごの小物や絵画が展示されています。りんごのテレビも!
これは・・・特注品なのでしょうか?おうちにこんなテレビがあったら、ちびっこも大喜びですね。
菓子処 笹の舎 ラグノオHP
弘前市百石町6-1 0172-32-7257 9:00-19:00
木村秋則さんの奇跡のりんごをつかったスイーツがあると聞いて、百石町展示館内にある「西洋茶寮salon de 甚兵衛」にきてみました。ここは、弘前でも名高いフレンチ店「レストラン山」の系列店なんですよ。
お目当てのりんごクレープは、今年のりんごがまだ収穫前だったので(体育の日の頃)いただくことができなかったのだけど、りんごジュース(¥630)、とーっても甘くて、おいしかった!んー♪ これは、とりこになる! このりんごを使ったコンポートなら、めちゃくちゃおいしいだろうなぁ。
こんなお菓子もありました。
こちらも木村さんのりんごを使った「奇跡のりんご かりんとう」(¥525)。木村さんがつくるりんごは、無農薬・無肥料の自然農法栽培。生命力のあるそのおいしさは世界的にも有名になり、いまや手に入れることもなかなか難しいのだそうです。
レストラン山のシェフ、山隆シェフも木村さんのりんごに惚れ込んだ一人。奇跡のりんごのスープなど、木村さんのりんごを使ったメニューを続々開発なさっていて、このかりんとうも、レストラン山製。
これがね、とにかく、おいしい!!!りんごのうまみがぎゅっとつまっていて、感動的なおいしさなんです。りんごの果実、皮、種、ぜーんぶまるごと入ってるんですって。カリカリと香ばしい食感もよく、もう手がとまらなくなります。こういう感覚は久しぶりだな。このかりんとうを買いにまた弘前に行きたいほど、気に入りました★ 次回は、いっぱい買ってこなくちゃ! 優しい甘さは三温糖。実はおからもはいっています。
百石町展示館は、豪商・宮本甚兵衛が建てた「角三呉服店」として建てたゴシック様式の建物で、大正から平成13年までは銀行としても使われていたそうです。今は展示会などのイベントに利用されており、館内にあるレストラン山経営「西洋茶寮salon de 甚兵衛」では、スイーツの他、グラタンやハヤシライスなどの軽食をいただくことができます。
西洋茶寮salon de 甚兵衛 HP
弘前市百石町3-2 百石町展示館内 0172-31-1631 10:30-20:00 休:水
レストラン山 HP