「あすき」
紹介いたしますが新品種ということで、データが不足しておりリアルなデータであるか判断に困っている。
試験データによると試供品種である「あすき」の種子数は7個もあるが、「あすき」がプレスリリースされたデータでは、平均1.5個と少ない品種と紹介されている。長崎果樹試験場の試験でも「あすき」の完全含核程度は露地で、0.4~1.6個と表記されているので、こちらの数字が正しいと思われる。 試験場の環境、気候条件などにより、このような結果がでているのであれば、この数字も訂正する日がくるかもしれないが、データがこれ以上ないので掲載する。
樹勢は直立性と開帳性の中間。枝梢の密度は中で、春枝のトゲの発生節率は8%と低く、年次によっては発生がほとんど無い。またトゲの長さも短い。このトゲの問題は、苗木から採取した穂木を連年使えばエイジング処理と同じ効果が得られるので、将来はトゲの発生は無くなると予想される。(珠心胚実生の興津早生は、1963に登録された品種であるが、今では信じられない位ひどいトゲを持っていたことからも、エイジング効果に期待する。)
慣行防除による露地栽培条件下でのかいよう病の発生程度は、「あすみ」や「せとか」より少なく、問題になるような発生はみられない。かいよう病の問題も、トゲが無くなればさらに発生頻度は軽減される可能性がある。
完全着色した果実の果皮は橙色で、果面は滑らかであるが、福岡県果樹試験場の試験結果では露地樹上での完全着色は困難がある。収穫後の予措,貯蔵条件を検討するなど着色向上対策が必要。また、同試験場では、「あすき」は貯蔵中の腐敗果や果皮 障害などの発生がほとんどなかったため(達観)、長期貯蔵により競合するカンキツが少なく高単価が期待できる 4 月以降の出荷が可能であると考えられる。このように、露地栽培に予措技術が加わると、露地でも高単価が狙えるようだ。
本露地試験ほ場は高糖系とされる「青島温州」の果実糖度は 10.7 度と低い。花崗岩砂質土壌で、土壌が深く樹勢が強いこと成熟期の土壌水分が多いためだ。同ほ場で「あすき」は糖度14%以上を示した。このことから、同様の土壌条件で高品質温州 ミカンの生産に不利な地域、園地 においても「あすき」は高糖度果実の生産が可能であると考えられている。
3月に成熟する高糖度晩生交雑品種。トゲは少なく、かいよう病にも強い。 29の試験地でも高糖度を示す食味抜群の品種。
*http://www.ykken.jp/16290921770902 より
糖度が極めて高く食味がよい晩生のミカンです。ナイフでカットした場合のドリップが少なく、カットフルーツでの利用にも適します。
主要特性
1992年に果樹試験場(現農研機構果樹茶業研究部門)において、オレンジ香を有し、雄性不稔性でかつ単胚性である「カンキツ興津46号」に、良食味で、じょうのう膜が薄く食べやすい「はるみ」を交雑して得られた実生から選抜しました。2006年から2016年までカンキツ第10回系統適応性・特性検定試験に「カンキツ興津60号」として特性を検討し、2016年8月の第10回系統適応性試験成績検討会において、新品種候補としました。
樹勢は「あすみ」より弱く中程度です。とげの発生程度は「あすみ」より少なく短いです。隔年結果性の程度は少ないです。かいよう病の発生程度も「あすみ」より少なく、慣行防除によりそうか病の発生は認められません。
果実は180 g程度で、果皮は橙色です(図1)。剥皮性は中~やや難で、年によりやや剥きづらいことがあります。浮皮の発生はありません。果肉の糖度は16%程度と極めて高く、酸含量は3月下旬に1.2 g/100 ml程度となります。自然受粉条件のもとで平均7粒程度の種子が入り、無核果はほとんどありません。成熟期は3月頃です。
果肉部をナイフで一定容積にカットした後のドリップの程度は少なく、現在カットフルーツとして主に利用されるオレンジと同程度です
*農研機構 HPより
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