ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

最後の乗客

2024-10-31 | 映画のお話

観ているうちに途中でのった母子と同様に

娘も死んでしまっているのかと思ったのだが

でも違っていた・・・

皆、自分は生きているのだと思っていたり、いなかったり、

よくある話なのにひとひねりされていたようだ

 

亡くなった人は、あちらの世界でも 

家族と仲良く

いつものように暮らしているのだ、きっと

それでも まだ まださまよっている人がいることを知った思い

ニューヨーク在住の堀江貴監督が、

震災から10年経つ故郷・仙台への思いを1本の映画にし、

クラウドファンディングで製作したのが話題になっていて

ロングランを重ねていたのでやっと腰をあげて観に行った

最初は興味はなかったのだが・・・

何だか観終えても

鼻のあたりがグズグズしていて落ち着かなかった。

震災の記憶は薄れているものの全然忘れてはいなかった

 

印象に残った「卵おにぎり」

私は食べたことがない

最後の字幕で東雲のおにぎりだと知った。

毎週金曜日、生協のお店のコーナーにあるが

たまごは売っていたかしら?

お店も震災後あらはまがあった所かもしれない

 

ニューヨーク、シカゴ、ボストンなどでの映画祭や上映会では

堀江監督自らが握ったおにぎりを来場者に食べてもらったという。

お母さんから教わった「おふくろの味」だそうだ。

 

 

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西湖畔に生きる

2024-10-24 | 映画のお話

予告がうまくできていて興味を持ってしまった。

息子が一線を越えるというところが気になってあれこれ想像していたが

私の思っていた一線とはだいぶ違っていて、がっかりしてしまった。

茶畑の静かなしっとりとした風景から一転した

マルチ組織での場面が多すぎて、少々見ていてうんざりしてしまった。

最近の中国映画はこんなにも激しく、元気すぎて、ちょっと引いてしまう。

欲に狂う姿ではなく、昔のみじめな自分から脱皮した姿だとしてもだ。

 

中国語の原題は「草木人間」なのに、

どうしてこんなに現実社会の描写が多かったのかと思った。

静と動、善と悪、故郷と都会というような対比だとしてもだ。

 

中国語の草木には人の世や世間という意味があるらしい。

西湖畔の山々の連なり、そうして反対側はビルの林立する都会だ。

 

自分を見出せなかった思い、人々から疎んじられ、苦労ばかりの人生

長年、澱のように沈んで隠れていた思いが頂点まで達して

沸騰してしまったのだろうか

自分らしく生きることがそうなのだろうかと思ってしまう。

マルチ商法まがいのことは大なり小なり

営業成績を上げるためにどの会社でも行われているのかもしれない。

今の中国の発展と憔悴はそういうことなのかと思いながら観終えた。

 

釈迦の十大弟子のひとり目連が

地獄に堕ちた母を救う仏教故事「目連救母」がテーマだという

父さんの木、僕の木、母さんの木が森にありそこに行こうとする姿が印象的だった。

苔の花、蓮の花の母子が本当の自分を見つめなおして再生してゆく

 

その場所できれいに咲けるように努力しなければならない人生なのだろう、きっと

アート的、エンタメ的な面が多くて、思っていたような静かな作品ではなかった。

 

カンヌをはじめ世界で高く評価されたデビュー作「春光水暖」をぜひ観てみたい。

 

 

 

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サウンド オブ フリーダム

2024-10-23 | 映画のお話

9:40分からの上映だったのでいつもより余裕をもって9時前に家を出た

順調に9:15分頃には着いたのだが既に行列ができている

何か話題作や人気なのをやっていたかしら?

こんなに込み合っているのは随分と久しぶりだ。

昔は座席が満杯で椅子を出したこともあった。

だが、たった一人だけで見終えた作品もあったっけ・・・

何とか後ろの方にまわり、券売機の列に並んで

きょろきょろ

同様に後ろの方も、前の方もきょろきょろしていて

お二人とも同世代の女性だったこともあって

自然に「どうしてこんなに混んでいるんでしょうね」

「フォーラムでこんなに混んでいるのを観たことがないけど・・・いったいどうしたの?」

などと言葉をかわしていた。

3人とも不思議で仕方がない光景に唖然としている。

券売機で前の方が座席を決める時、随分迷っていた様子が気になった。

自分の番に回ってきて席を選んだのだが反応しない。

どうして?と思ってもう一度タッチする、

よくよく見ると、私が選ぼうとしていた席は空席ではなかったのだ。

えっ、っと思いながら

いつもと真逆な座席に驚きを隠せない。

いつもなら数席埋まっているだけなのが、今日はもうわずかしか空いていなかったのだ。

信じられない。うそでしょ。

前の方と同じように 私が迷っているように後ろの方には見えたかもしれない。

さらに着席して予告が終わっても、画面は止まったままでアナウンスが入り、

まだ入場できない方がいるので、全員入場してから始めると言う。

 

子供たちは売り物ではない

児童人身売買の闇に挑んだ捜査官の実話を基にした衝撃の社会派サスペンス

ひとりの捜査官がコロンビアまで行き、命がけで弟と姉を助け出す。

あまりにも出来すぎてはいないだろうかと思いながら

映画と現実との狭間で想像もしていなかったことに衝撃を受けた。

子どもが5才なら1日に5回から10回は売れるという言葉が忘れられない

そうして 麻薬取引を凌ぐ巨大ビジネスと化した21世紀の人身売買

現在奴隷として囲われている人数は、奴隷制度が合法だった時代も含めて、史上最多だという。

そうして、そのうち数百万人が、子どもたちなのだ。

 

エンディングで5年前に作った映画が公開できなかったことが語られた。

インディペンデント映画だからというだけではなさそうだが・・・

それでもみんなのおかげで公開できることになったというのだ。

 

とんでもない人気の話題作だったはずなのに、

アメリカではマスコミがこぞってたたいたのはどうしてなのだろう

この会場で今日映画を観た方たちはどこで何を知って集まったのだろうか・・・

 

賛否両論の作品ともあった、それもよくわからない

ティム役のジム・カビーゼルが、ティム・バラード本人の職務に同行して役作りに励んだという。

だが、Qアノンとのかかわりだの、カルトだの、トランプだの、

日本のJアノンだのとあれこれ言われているようだが、私にはよくわからない。

制作費を出資・調達するプロデューサーや映画会社などの圧力を避けるために

自己資金で製作したのだろうか

キャストとテーマは異なるものの、続編「Sound of Hope: The Story of Possum Trot」が製作され、

7月に公開されたらしいが・・・日本には届いていないようだ。

 

 

 

 

 

 

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「本日公休」

2024-10-18 | 映画のお話

何かで全員が4ポイント付けていて 気になっていた台湾映画

行きつけの映画館に余裕を持って入った。

閉館した駅前のチネ・ラビータから移ってきた飲食販売コーナーで

初めてカフェラテを求め、ひとり座って待つ。

 

入口を背中にしてのんびり味わっていると

年配の方たちが次々と訪れては

チケットの自動販売機の前でまごついている。

見えないのだが、係の男性が丁寧に接客している様子を

背中越しに、声だけでそのやりとりを聴いていても微笑ましい。

そんなじんわりと優しい作品だった。

 

思っていたのとはちょっと違っていた。

どうして事件が起きないのかと

刺激を求めている自分の

ストレス解消的な期待感が疎ましくなった。

 

こんなほのぼのとした作品を

退屈に感じてしまうのはどうしてだろうか・・・

 

何だか心が汚れてしまっているような気がしてならなかった。

少しは磨いて帰れただろうか・・・

 

 

 

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「僕の家族と祖国の戦争」

2024-09-11 | 映画のお話

デンマーク映画 「僕の家族と祖国の戦争」

原題は「Befrielsen」

デンマーク語で「解放」らしいけど・・・

 

第2次世界大戦 終戦間際、ナチス占領下のデンマークで

ドイツ難民の受け入れを命令された大学学長とその家族の物語だ。

息子セアンの過激な体験と動揺、12歳の少年らしい心の動きが

時には振り切るように進んでいくのがとても悲しく、そして恐ろしくもある作品だった。

 

ナチス占領下になった国々の フランス人たちの無言の抵抗や

サウンドオブミュージックでのオーストリアからスイスへ逃れる山越えのシーンを思い起こす。

戦火を免れたドイツ人難民は数百人で学校側は場所だけ、

体育館だけを提供するはずだったが

列車が到着すると難民は500人を超えていたのだ。

さらにナチス軍は管理はおろか、食料の配給さえしなかった。

人々は飢え、感染症が蔓延して子供や高齢者の死体が増えてゆく。

その光景を目の当たりにした家族のとった行動が

街の人々に疎まれ、命の危険にさらされてゆく。

 

子どもたちのレジスタンとナチスに分かれての戦争ごっこは

どんどん残酷になっていく。

ナチス側にさせられて木に縛り付けられ、

ズボンや下着を脱がされたセアン

助けを呼ぶ声を聞きつけて

ドイツ難民の少女ギセラは自分の上着を渡そうとする。

セアンの母に助けられたとはいえ、そんな孤児のギセラの優しさに救われた・・・

 

父や母、身近な大人たちの行動や葛藤を背景に

セアンの変わりようが心に残る。

こんないつどうなるのかわからない中で

彼らが決意を固めた頃、

大人たちのかすかな良心がかいま見られ

死の淵にいたギセラが快方に向かう様子にほっとする。

 

いちばん大切なものは何なのか、

自分だけならまだしも 家族も守らなければならない

街を出る最後のシーン

家族4人が堂々とすがすがしい表情で歩くシーン

これから何が待ち受けているのか・・・

だが、自分たちが人として正しいことをしたことに

みじんの悔いはないという

そんな晴れ晴れとした、不安を感じさせない顔つきが頼もしかった。

 

きっといいことがありますようにという思いで

並んで歩く家族を見詰めながら観終えた。

そうしていつの間にか目が濡れていた

戦争は本当に嫌だ。

絶対に嫌だ。

 

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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ

2024-07-06 | 映画のお話

受賞歴があり、ずっと気になっていた映画

何か月ぶりかの映画だったので

だいぶ期待しすぎていたのでしょうか・・・

 

いい映画なのでしょうが、

今の私には

いまいち感動がもりあがって来ないのです。

 

もう、どんな映画だったの?と聞かれても

場面ごとの思いがなかなか湧いてこない

 

ベトナム戦争で大切な息子を失った学食の料理長

再婚したばかりの母親に翻弄される男子学生

意外なことに

堅苦しくて皮肉屋で嫌われ者の教師の過去が

どんどん暴かれていって・・・

 

三人三様に色々な人生や思いがあるのだけれど

意外とみんな強くて、しっかり生きているのです。

そんな所は充分にアメリカらしいなあと思いました。

 

古き良き時代の心温まる友情のヒューマンドラマです。

 

生徒の両親のせいで

最後はただ一人 職を失ってしまう彼が意外と元気で

ちょっとほっとしました。

 

ちょっと昔、私も知っているような、こんな時代があって

彼らは今どうしているのでしょうか?

いちばん若い学生君の現在をちょっと覗けたら

いいなあと思いました。

 

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「ビニールハウス」

2024-04-10 | 映画のお話
気になっていた韓国映画
 
パンフレットには「半地下はまだマシ」とあった
ん~~この宣伝文句 何だかなぁ~~と思う。
 
「半地下」の映画は観ていないが、ビニールハウスが韓国の貧乏人の住処だということは
以前観た映画で知った。
確か、もう10年以上も前に観た『嘆きのピエタ』
コロナ全盛期の頃に海外で亡くなった韓国人映画監督の作品だったか・・・
 
その時のビニールハウスとは大違いの 
豪華な家具が置かれた
床もベッドも冷蔵庫もある今回のハウスは別ものだった。
あの時の映画では透明の薄っぺらのビニールハウスそのものだったのが、
分厚い黒い素材になっていて普通の家とどこが違うのか
最新式のハウスにしか見えなかった。
 
ともあれ
ビニールハウスで暮らす訪問介護の仕事をしている女
息子と一緒に暮らすためなのだと、自分に言い聞かせて人生を変えてしまう。
自分に起きたことに身をゆだねざるを得ない か弱い女・・・
私にはそうは見えなかった。
何もかもが中途半端でただずるずると生きているだけ・・・
 
どうして息子が少年院に入っていたのか
親が離婚してぐれただけなのか
誤って殺してしまったかもしれない介護先の認知症の老女を
母親とすり替えようなどとどうして思いついたのか
そうして
どうやって認知症の母親を病院から連れだして来たのだろうか
息子たちはどうして声を上げて逃げ出さなかったのかと
小さな疑問が次々と湧いてくる
 
結局、自分のこれからの人生に立ち向かおうとする気持ちもなく
他力本願の一見不幸な美魔女なのかしらね。
 
何も悪いことはしていないのに
どうしてこう不運なんだろうと思いながら生きてゆく
本当に少年院から出所してきた息子も
認知症の母親も、彼女の生きがいだったのだろうか
 
しょうもない男に翻弄され、大切な息子のためにと思ってやったことが
母を殺し、息子を殺し、仕事先の親切な主まで失ってしまう。
もう仕事も生きがいも無くなって、これからどう生きるのだろう
 
でも
もうすっかり今までの足手まといはなくなって
案外、しっかり生きていくのか
また、しょうもない男に引っかかって、ずるずると・・・
なのだろうか
 
同性としても
善人ぶっていてもこの中途半端な生きざまが一番引っかかった。
 
貧困サスペンスとしては
あまりにも無慈悲過ぎて、ちょっと笑っちゃう感じだ。
 
悪人なら悪人らしく生き、死んでいく、
どうしようもなく救いのない
最下層の人々のくらしを描き切ったキム・ギドクの方が私は好きだなあ
 
 
 
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「ドッグマン」

2024-03-20 | 映画のお話

リュック・ベッソンが実際の事件に着想を得て監督・脚本を手がけたという

バイオレンスアクション

「レオン」を観て、ゲーリー・オールドマンを好きになったのだが
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズという俳優もなかなか魅力的だ。

女装しているので気づかなかったが、
何年か前に観た「ニトラム」と同一人物だったようだ。

暗く辛い過去と繊細な心を持つ役柄が彼には似合っているのだろうか

ドッグマンは私には少しも悪人には思えなかった。
そんな彼がこれからずっと刑務所に入るのだろうかと気に病んだが
そんなことはなかった。
頭脳明晰な彼を応援していきたい気持ちになった。

レオンのゲーリーのように支離滅裂な人間ではなかったけれど
もう少し悪人でもよかったような気がする。

ただただ悲惨な子供時代を過ごした彼が
大人になっても裏切られ
世の中からはじきだされて
すさんでいくようで辛かった。

いいこともあったはずだから

思い直して別の生き方を見つけていってほしかった。

車いすから立つシーンが
必死に立っているシーンが

自分と重なってしまった。
少しは立てるとぶるぶると堪えるのだ。

本当は普通に歩きたいのに・・・


5歳の時、家族によって檻に入れられた少年の
実際の事件とはどんな事件だったのだろうと思いを馳せた。

ラストの 磔にされたキリストのように 

十字架の影と重なるシーンはエディット・ピアフの曲にこみ上げてくるものがあった。

たくさんの犬が
その周りに集まっていて彼に唯一忠実な犬とのシーンが印象的だった。

彼はこれからどうなるのだろう・・・

たくましく 生き続けてほしかった。


 



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ビヨンド・ユートピア 脱北

2024-02-12 | 映画のお話
「自由にたどり着くまでの旅にカメラが密着した奇跡のドキュメンタリー」
とあったがそんな言葉さえ華々しく感じる。

北朝鮮の実態や脱北の事はなんとなくわかっていたような気がしていたのだが・・・

始まりにこれは「再現フィルムではない」と断りがはいる。
すべてが隠し撮りの映像だという。

ひとり脱北して10年会っていない息子を脱北させようとした母親と
中国の山中で身動きの取れなくなった子ども2人と80代の母と夫婦の話が
並行して進んでいく。

若い女性なら中国でアダルトチャットや売春業者、農村地帯の独身者に売れるのだ。
ドラッグや人身売買など色々お金になる。
だが、
年寄りと子供のいる家族ではどうしようもない。
引き取る気があるのかと家族の映像がキム牧師に送られたのだ。

市場価値のない脱北者たちの身元引受人 韓国人牧師キム・ソンウン
中国の瀋陽から青島、ベトナム、ラオスを経由してタイへと1万2千キロの移動距離にかかる費用は莫大だ。
50人以上ものブローカーや地下組織があり
キム牧師の支援者たちの資金だけではどうなのだろう・・・

映画を作ることでお金は入るだろうが
脱出ルートがさらされ、キム牧師の身も危ぶまれるが
それでもドキュメンタリー映画を作る価値はあるということなのだろうか


要はお金なのだとショックだった。

結局、金が目当てのいくつものブローカー頼み
自分たちの身が危なくなったらいつでも投げ出されるだろうし

買収したパトカーに乗ったり、ジャングルを歩いたり
3つの山越えでは山道を10時間以上も歩かされて、
金目当てに同じ山を何度も越えさせられいる・・・
年寄りも幼子も・・・よく耐えられたものだ。

北朝鮮出身の妻が金正日みたいな体型の牧師に惚れたと言っていたが
どうやら彼は脱北の手助けで体中に金属が入っているほど危険な目にあっているようだ。

ベトナムからの船の乗り降りを事細かに注意する場面が印象的だった。
船がタイについても焦らず静かに慎重に降りなければ沈んでしまうのだ。
そうして
タイに来たら、今まで逃げていた警察に早く捕まって
北朝鮮から来たと言うようにと・・・

中国もラオスもベトナムも北朝鮮とは密接な国なのだと改めて気づかされた
見つかれば報奨金目当てで簡単に売るのだから

もう一方の17歳の女性の息子は中国でつかまり
収容所に送られ痛めつけられ、もう生きてはいないだろう
脱北させようとしたことがいいことだったのか
そうでなかったのか、
脱北者の家族としてそのまま北朝鮮にいても未来はないのだという

せめて5人家族が
映画撮影で入るお金で脱北できたのは皮肉だが現実だ


それにしても平和ボケの日本は大丈夫だろうかとふと思った。





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哀れなるものたち

2024-02-10 | 映画のお話
第80回ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞
第81回ゴールデン・グローブ賞ではコメディ・ミュージカル部門の作品賞と主演女優賞
第96回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞ほか計11部門にノミネート

イギリス映画かと思ったが、どうやらイギリス・アメリカ・アイルランド合作らしい

原題は「poor things」
相づちのように軽い感じで使うカジュアルな言葉らしい
でもよくわからない
お気の毒に?さんざんだね?可哀そう~?という感じで
「哀れなるものたち」なんて仰々しい感じではないようなのだけど・・・
(何かが欠けていて惜しい)ってことならそう言う意味かなどと
逡巡してしまうのだ。

身投げした若い女性の胎児の脳を移植して
その女性を蘇生させた天才外科医ゴッドウインの風貌からしてフランケンシュタインだ
蘇った身体は大人なのだが脳が赤ちゃんなもので
まだまだよちよち歩きの成長課程、幼い行動パターンも
彼女の視点でモノクロや歪みの映像になっていて面白い

ヴィクトリア朝時代で、馬車が闊歩しているのに
ゴッドウインの馬車だけが前は馬なのに後ろからは蒸気がでていたり
古風な街には宇宙船風の気球も浮かんでいたりと
魔か不思議な世界

肩のあたりは時代風なのにいきなりミニスカートだったりと
衣装も不可思議な雰囲気だ
今どきのおとぎ話だと思いながら観ていた・・・

婚約者がいながら
遊び人の弁護士ダンカンの誘いで世界一周の旅に出ると決めたベラ

最初はアメリをほうふつとさせるテンポだったが
次第に不協和音が奏でられて
自慰やセックスシーンの嵐だ。

そんな中で死と再生
時代の男と女の関係性が垣間見えてくる

ベラの体当たり的な何でも変えようとする意気込みが
ただただ場当たり的に進んで
船旅でのマダムたちとの出会いで哲学や読書を知り
パリ娼館にたどり着く
世渡りを知ったかと思うと社会主義者になり
大学で医学を学んでいたりと
奇想天外な物語だ

父親の実験台だったゴッドウイン博士の子供時代は悲惨だったが
最後は亡くなる天才外科医ゴッドウィンの脳を移植しなかったのはなぜだろう

なんでヤギなんかになっちゃったの

博士の脳はもうあかんかったんやろかとも思うけど
想像もしない終わり方に
女性の成長と進歩はわかったけれど
いつまでも不可解さだけが残った。

死体を切り刻むシーンにしろ
セックスシーンにしろ
おぞましさも厭らしさもなかったけれど
面白おかしくというより
奇想天外さについていくのがやっとで
整理する余裕もなかったといたほうがいいかもしれない。







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