ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「偶然の出会い」

2016-02-29 | きょうのできごと
いつもよりちょっと遅い時間にゴミ出しに走った

以前のマンションなら玄関ドアを一度押し開ければよかったのだが
今は違う

玄関を開け、エレベーターをまち、入り、出る
そうしてまたドアをあけ、もう2度ほど扉を通る
そんな風にして、たいして遠くもないゴミ置き場にたどり着くと
今度はまたドアを開けてゴミを出す

その日、そこにはエプロン姿があった
彼女は出し終えてちょうど帰る所だったようだ

すれ違いざまに挨拶をしてふと見かけない人だなあと思った

そそくさと出し終えてエレベーターに走ると
先ほどの女性が中で待っていてくれた

ふたりきりだったので、この所の寒暖の差の激しさを嘆いて別れた
いつもの朝の情景

家に帰るとラストスパートで
化粧の仕上げと出かける支度をして
再びエレベーターに飛び乗った。

途中、止まって一人女性が乗ってきた
ふと顔を見て驚いた

初めて会った先ほどの方とまたご一緒したのだ
彼女もエプロン姿から
コート姿に変わっている

お互い今朝初めて会った人に
続けてあったことを不思議に思いながら
右と左に別れた


そうして10日ほどたったある朝
郵便受けに小さな封筒が入っていた

先日、お互い名乗りあっていたのだが
面白い出来事とは思ったものの、さして気にも留めていなかった

偶然の出会いの始まりである

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ひつじ村の兄弟」

2016-02-02 | 映画のお話


雪 野山 風の音 草が揺れている
どこまでも続く大自然に物悲しい曲が流れて
兄弟の物語は始まった。

雄大なアイスランドの風景が何か懐かしくもある

隣り合っている兄と弟の家
40年も口をきいていない二人には何があったのだろうかと思いながら
淡々とした毎日の生活を追うように眺めていた

そうしてこの年老いた兄と弟にとってただ一つのの共通点は
羊に対する愛情なのだと知った。

2015年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門でグランプリ受賞
ひつじと犬と人間と広大な自然が同じ場所にある、そうしてとても近しい

橋を渡って町に出るシーンが何度かあった。

辺境の村なのだろう。
女性が少ないので二人は結婚もしていない

財産問題があり、それから40年も隣に暮らしながら一言も口をきいていない

それでも相手の存在はいつも意識して生活しているのだ

時には凶暴と思われるような行動をとる兄を
弟は抗うこともなく観察しているかのように暮らしている。
酒を飲んでは寝込んで凍死寸前の兄を助け、
ある時は、ショベルカーで飲みすぎて雪に倒れた兄を運ぶシーンが
何だか面白く物悲しい
ブラックとは違う不思議なユーモアの漂う物語の中で
深刻な状況がどんどん進んでいく

アイスランディック・シープというこの羊たちは何ともかわいらしい
純血の家畜用の羊としては世界最古の品種だというのだが

二人の髭のようにモサモサで、モコモコしたひつじとは全く違う姿だ

彼はいつもひつじに語り掛けている。
ここでは生活のすべてがひつじにかかっているばかりか、ひつじも人間と同じ存在なのだろう


兄の一番の羊が伝染病にかかり、村の羊すべての殺処分が決まった。

新鋭のハゥコーナルソン監督はまだ30代だという

あの吹雪の荒野の中を火山近くに羊たちを逃がそうとでかけた
年老いた兄弟はあれからいったいどうなったのだろう

兄がやっとお兄さんらしく「もう大丈夫だ」と
身をもって弟に語りかけるシーンが印象的だ
きっと小さいときはそうして二人仲良く暮らしていたはずなのだ

二人が守りたかったもの、一番大切なものがおんなじだったのだから・・・


大自然の風景をバックにまさに生かされている私たち人間を思う

暮らして行くことの 厳しさ
私たちが日々生かされていることの意味を思う





コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする