ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「真綿のようなもの」

2010-04-12 | きょうのできごと
わが家の朝食はこのところお餅である。

晩秋ともなるとレトロなストーブを出してきて
網を置きお餅を焼き始める。
つれあいは「お餅なら特におかずはいらない」
と訳のわからないことを言って毎日飽きずに食べている。

餅は乞食に焼かせろと言われているそうだ。
早く食べたいから、何回もひっくりかえし、
焦げ付かせずにうまく焼けるからだ。

朝は忙しいからうっかりほかの事に気を取られていると
すぐ焦げてしまうから厄介だ。
焦がそうものなら「こげはガンになる」と連れ合いの機嫌が悪くなる。

昼に何か簡単に済まそうと思ったので、
餅の袋の裏にレンジでチンできるとあったのを思い出した。
ろくに説明も読まずに
2個で2分という数字だけを覚えていてやってみた。

おかずが出来上がって、扉をあけると・・・
「なんだこりゃ~」

お餅とは似ても似つかない真綿のようなものが
皿に乾いてべったりとひっついていた。


うまくいかないとがっかりするものだが
あまりにも想像していない物が出てきたので
現実とは思えず、唖然としてしまった。

袋を見直すと
水の中に入れたままチンするらしかった。

この真綿のようなものが皿からもはがれず
このところのわたしの気分そのまま
ますます厄介なことになってしまった。
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「ずっとあなたを愛している」

2010-04-03 | 映画のお話
空港で疲れ切った化粧っけのない顔で
ずっと待ち続ける中年の女ジュリエット

そこにかけつける献身的で一生懸命すぎる妹

15年の刑を終えた姉を迎え入れた妹の家には
神経質な夫と肌の色の違う養子たち
そして後遺症で話すことのできない夫の父が暮らしている

ベトナムの貧しい家庭出身の養女の物おじしない言動が
かえってガラス細工のような彼らの繊細さを感じさせる

いつも自分の居場所に落ち着けないようすで
いらいらとタバコをくゆらせることの多いジュリエット

彼女の起こした事件がきっかけで彼女から夫は去り、
彼女の両親も離婚し、今はそれぞれのパートナーと暮らしている。

どうして自分のしたことの真実を裁判で話そうとしなかったのか
わたしにはわからない
医者として、幼い息子の母として、
子どもにしてあげられることは
他にもあったとは思ってはいないはずなのに・・・

母親としてわが子を殺した娘を許せないとしても
理解しようとしてあげられなかったプライドの強さが
私にはとても哀れに思われた。

誰一人面会に来なかったという15年の長い孤独
かたくなに人を自分の内に入りこませたくない思い
夫にも母にも誰にもわかってもらえなかった愛のかたち

ずっと愛しているあなたは自ら手にかけた息子のこと
でも、子供を産むことができなかった妹の愛や
裏返しの母親の愛、父の愛

そしてこれからの居場所

壊れそうで壊れないでいたガラス細工が
時おり、美しく光るのに気づく人がいる

きらきらした愛も 温かなまなざしの愛もあるはず

恋の予感があって、救われた思いがして少し嬉しかった



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「ハート・ロッカー」

2010-04-03 | 映画のお話
アカデミー賞受賞作の「ハート・ロッカー」を観に行った。
春休み中だし、アカデミー賞を受けたし、混むだろうと覚悟して
移転して新しくなってから一度も訪れていなかった映画館に出かけた。
希望した中央のうち二つはもう埋まっているとのことだったが、
それって二人だけってこと?!という驚きの少なさ・・・

いまだにイラクとアメリカの関係が理解できないから
イラクの地で爆弾を探し出しては
撤去・爆破処理しているアメリカ軍がいることも正直わからない。
時々、戦争のシーンにうんざりしながらも観すすめているような中途半端な気分

ふと、同じアカデミー賞受賞作の「ディア・ハンター」を思い出した。
ベトナム戦争で人質になった時のロシアンルーレットの恐怖と狂気
戦争後遺症で心を病み、生と死のはざまでしか生きることを見出せなくなったニックの目

それと同じように
死と隣り合わせの毎日をやっと何とかすり抜けて帰国したジェームズが
スーパーで見た棚いっぱいのシリアルの箱
どれにしたらいいのか
画面いっぱいに並んだ沢山の種類のシリアルの箱を前に
呆然と立ち尽くすシーンがある

彼の選ぶのは生と死のどちらかだけなのだから・・・

そうしてまた戦場にもどり
防護服を着て爆弾に向かって歩いてゆくシーンで終わっている

それらが何ともいえず、
戦争を放棄できないアメリカを象徴しているように思えた





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「ぬかよろこび」

2010-04-01 | きょうのできごと
子供のころからいっぱしのペシミストだったのに
いつの頃からか、
心配ばかりしていても気苦労分のエネルギーがもったいない
なるようにしかならないのだからと思うようになった

心配しつくして消耗してしまっている自分が
あまりにもみすぼらしかったからかもしれない

どうせ思うようにならないのなら、事が運ばないなら
その時はその時、精いっぱい踏ん張ればいいのだからと
自分に言い聞かせてもうずいぶん過ぎたような気がする

そうしてもう
気力も体力も擦り減ってしまっていて
ほんのわずかのエネルギーをそっと大事に抱えている

いつか使い果たさなければならない時がやって来るのなら
少しずつ少しずつ充電しておきたいと思う

だからぬかよろこびはしたくなかった・・・

いつの間にか
ぬかよろこびという言葉さえ忘れてしまっていて

期待していなかった意外なできごとに
ついつい顔がほころんでしまう

何度もお辞儀をしたいような気持になって
どんなお礼をしようかと思案さえしてしまっていた

しかし約束の時がやってきても、過ぎ去ってしまっても
なあんにもやっては来なかった・・・

待てど暮らせどなあんにもない・・・

こころはただうろうろするばかり
あれをしてみようか、いややっぱりやめようかと気持ちが揺れ惑う
信じたい気持ちと「ばかみたい!」という気持ちとが交差する

どうしてこんなしっぺ返しにあわなければならないのだろう・・・

喜んだ何倍ものがっかりがやってくる

よくあることじゃない~と言い聞かせて

あきらめの気持ちより、
ぬかよろこびをしてしまった自分への情けなさでいっぱいになる

もう二度と期待はしないとは思ってもまたいつかやるのだろう

「あなたは本当に優しいのねえ~怒ったことなんてないんでしょう」
と、私のことを何も知らない方がこう言って下さった・・・

だってあなたこそが優しいのだから・・・

ぬかよろこびもしっぺ返しももう忘れてしまおう

やっぱり、わたしはペシミスト




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