「人生、ここにあり！」

早口のイタリア語が飛び交ってしょっぱなからこれはおもしろそうだと期待がもてた。

イタリアでは大ヒットを記録したそうで
イタリアのゴールデングローブ賞受賞。

1978年の法律で精神病院が閉鎖されたイタリアでは
精神病の患者たちが一般の社会で暮らせるようにとした歴史があるという。
実話がもとだという私が一番弱い作品だ。

陽気なイタリア人風にユーモアをちりばめた作品だが
内容は思っていたように重くデリケートだった。

大量の安定剤の投与を受けて動作もぎこちなく
操り人形のようで表情も極端に凍りついているような彼らが
解放されてゆくさまは楽しい。

背景にはひとりひとりの環境や家庭がかかわっているのが見えてくるが
少なくとも彼らは誰一人として悪くはない


元精神病患者の協同組合を正義感が強過ぎて
追い出されてきたネロが変えてゆく。

本気で自ら働いてお金を稼ぐことを持ち掛け、
彼らを一人前の労働者、組合員として扱う。
みんなを集めて会議を開き、
個性豊かなメンバーたちをまとめてゆく。

床貼りの仕事がトラブルがきっかけで
どんどんいい方に向かって評判になり彼らはかわってゆくのだが
快活で陽気な笑顔があふれ、元気な曲が流れたと思うと
もの哀しい曲が流れるようにいいことも悪いこともある


彼らの表情の変わりようが観ていても嬉しい。

わたしも負けてはいられないような気がしてくる

明日に向かって突き進む姿が何があっても憎めない

ひとりひとりの俳優の演技がすばらしい

そうして
ビシッと決めた姿はやはり素敵なイタリア紳士

わたしもしっかりしなければと
先延ばししていたあれこれが頭に浮かんできて映画館を出た