ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「極道めし」

2011-10-16 | 映画のお話
刑務所の食事がこんなにおいしそうだったなんて。
栄養面も、色彩も、盛り付けも、ヘルシーさでも文句のつけようがない。

年に一度きりの大ごちそう、お正月のおせちをかけて
204房の5人の男たちが、それぞれ自分の一番の美味しい料理の思い出を話して
壮絶なバトルを始める。

ごっくんと唾を飲み込ませた数が一番多い者が勝ちで
みんなのお節料理から好きなものを一品ずつもらうことができる。

それぞれの話の中の「勝負めし」は誰かにこころをこめて作ってもらったかけがえのない料理。
そこにはひとりひとりの境遇や背景が自然と浮かび上がってきて
いっしょにいた家族や恋人の思いがたくさん詰まっていることに気づく。

 「すき焼き」では食糧事情の悪かった時代に
苦労して手に入れた肉を父親が威厳を持って焼き
たくさんの兄弟で競争して食べる光景が浮かぶ。

警察に追われて逃げてきた実家で
母親が何も聞かず作ってくれた
炊きたてご飯に産みたての卵をかけてかきこむ。
追ってきた警察に食べ終わるまで待てと一喝する母の姿。

恋人が最後につくってくれた
インスタントラーメンの焦がしネギやネギ油や刻みキャベツ。

やさしい女の作ってくれたあたたかいスープの味わい。

自分を捨てる前に母親が作った甘い甘いホットケーキ。

訳ありの、刑務所に入ってしまった彼らとかかわりながら
作ってくれた庶民の食卓が一番のごちそう。

どれだけ自分の大切な人だったのかを思いながら、その味をいつまでも忘れられない。

人気コミックが原作とのことだが
時おり舞台になってみたりとおもしろい映画だった。

わたしの味を知る人はどのぐらいいるのだろうか。
家族にとって最高のごちそうが高級料理ではありませんように・・・



コメント (1)
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