観たのはもうずいぶん前のこと
SF物は好みではないのだが
娘との思い出のシーンが織り交ぜられ
言語学者の主人公がとてつもない仕事を抱えて
気づいてゆくメッセージ
というような
ちょっと不思議な感触の紹介が心に止まって
観に行こうと思ったのだった
う~ん
なかなかいい映画なのだが
すっきりとした気分は未だ中途半端で
どんなふうにこの靄を解明したらいいのか悩んでしまう
哲学的すぎで私にはやはり時間の概念はちょっと難しかった
世界への皮肉と言おうか警告なのか
宇宙船が降りてきた12カ所の中のマイナーな国には
すぐ核保有国だなという印象があった
作品からの現代社会へのメッセージと思わせられた・・・
はじまりの場面や
宇宙人からのメッセージを読み解く毎日の中で
織り交ぜられる娘との思い出
不治の病で亡くなった娘とのやり取りが
たどり着けそうもない難解な作業の中で
気づきやきっかけになっていく
遅々として進まない果てしない作業の中で
観ている私も心がよどんでくる
飽きてしまいそうになる中で
時折現れる娘とのシーンに救われたような気がする
だた私には
最後の言葉の中国語風の格言はよくわからないままで
それでも奇跡のように攻撃はとりやめになり
人はたったひとつのことばで動かせる事もあるのだと
そうしてひとり動かせれば、国を動かし、地球を救えるものらしい
そんなことが未来にあるのだろうか
ことばと時間と過去と未来と
当たり前のように思っていたそれらの関係を
どんな概念で図ったらいいのわからないまま
この映画を漠然とした思いで観終えた
3000年後に起こることのために
地球にやってきた宇宙人たち
その頃、現実の地球はどうなっているのだろう
過去があって未来があり
原因があって結果があるのだとずっと信じていたが
輪廻とはまたちがう流れがあるのだろうか
それより、離婚することも、子供が死ぬこともわかっていて
結婚したり、子供を持ったりできるのかしら
現実的に考えてしまう私にもうロマンはないのかもしれない