オーストリア/2018年の作品
ヨーロッパの企業名が多くて耳に残ったのはユニリーバとコカ・コーラぐらい
商品を買うと世界を救えるというけど、それは本当?
確かめるために監督自身が世界一周の調査の旅へでかけていくドキュメント
例えば持続可能な・・・認証ラベルのグリーンマーク
この「環境に優しい」という商品を買えば野生動物や熱帯雨林が救えると聞いて
私たちは少しでも多くの人の一人になろうと、
買うことで協力できればと思って頑張っている
どうせ買うなら、誰かの役に立ちたい
それが地球の為ならもっといい、
未来の孫やひ孫たちが安心して暮らせる環境であってほしいと
少々高くてもそれなりに気張って買っているのだ・・・
監督と一緒に旅をするグリーンウォッシングの専門家の女性の登場でつまずいた。
「グリーンウォッシング」って何? 初めて聞く言葉だ。
グリーンウォッシュとは➡環境に配慮した、またはエコなイメージを思わせる「グリーン」と、
ごまかしやうわべだけという意味の「ホワイトウォッシュ」を組み合わせた造語
「一見、環境に配慮しているように見せかけて、実態はそうではなく、環境意識の高い消費者に誤解を与えるようなこと」らしい
①サービス、商品に関係のない「緑」の画像が使われている(自然の写真や、緑色の包装など)
②何の根拠もない「認証済み」「エコ」「省エネ」などの表現などがある
らしいが今回は②に該当するのだろうか
エシカルやSDGSについてそれなりに勉強していたけれど
こんなことされていたのではたまらない~
悪質企業にとっては、何と物わかりのいい消費者
のひとりだったってことなの、私は・・・と愕然というか、がっかり
映画では「パームヤシ」が取り上げられているが日本人としてはどうもピンとこない
日本の商品には別の表現がされているようで
どうやら日本の食品表示では「植物油脂」と書くだけで「パーム油」と書く必要はないらしい
さらに調べると別の表示として植物油・ショートニング・マーガリン・グリセリン・界面活性剤など多彩だ
「持続可能なパーム油なんてない」らしい・・・
最初の訪問地、パーム油の生産量世界一のインドネシア
数日前までジャングルだった所が
焼き尽くされ(企業によって不法に)、その惨状に絶句する
何もかも真っ黒、
パーム油農園を拡大するために焼き払ったのだとういう
不法って?
焼畑はできないから、森林火災ということで、もしかして放火?ってこと?
動物の保護どころか、植物と一緒に逃げ場がなくなって、焼き尽くされているってことなのだろう
そういえばマレーシア、クアラルンプールでの焼畑の煙の被害を聞いたことがある
インドネシアからの煙が流れてくるのは、いつもの風物詩らしいけど
こんな風に森林破壊は現実に起きているのだ
そこからブラジルやドイツ、アメリカを巡って様々な業界の実態を調べてゆく
石炭のほこりがスウェーデンまで汚染している、
堆積したタールボール、先住民が毎日の様に殺され土地を奪われているなど・・・
あちこちでとんでもないことが起こっている
世界のあちこちで起きていることのほんの一部しか知らなかったという現実を突きつけられる
タールボールという言葉も初めて知った。その正体も知らなかった
タンカー事故がある度にニュースになっているが、
重油が広がらないようにとオイルフェンスを張り、吸着させたりと必死な様子を
どこか別の世界の様にテレビ画面で観ていた
だが
これを化学薬品を撒いて沈めたというから怖ろしい
その産物がタールボール
素手では触れない代物だという
持続可能な社会を実現するには、私たちはどうしたらいいのだろう
大量消費時代、いらないものまで何となく買っては捨てている毎日
なのには、とっくに気づいているけれど
それでは買わないことが正しい消費なのだろうか?
買わなければ経済は回らないのではと不安になる
沢山作っても売れなければ生活できない
本当のこと、真実を知らなければならないということだろうか
大企業の偽りや裏側をふだんから考えていかなければいけないということだ
宣伝文句をうのみにしてはいけない
偽装問題で神経をとがらせた時期もあったがもうすっかり忘れている
賢い消費者にならなければ地球の未来はなさそうだ
以前、講演会で、星条旗ではなく大企業のマークの並ぶアメリカ国旗を見たのを思い出した。
最初は随分驚いたけど・・・
強欲資本主義の裏側をみなければ私たちの未来はないのかしら