「きゃぁ~きゃぁ~きゃぁ~
助けて、助けて、誰か助けて~
きゃぁ~きゃぁ~きゃぁ~」
突然若い女性の悲鳴が響いた。長い長い悲鳴だった。
遠くなってゆくように途切れたような気がするから
車で連れ去られたのかしら…
それとも・・・と思って時計を見ると
午前2時20分
どうしたんだろう、何があったのかしら?
それにしても長すぎる・・・
恐怖の中、あんなにも長く悲鳴って出せるものだろうか?
尋常でないことは確かだが・・・
(聞いたのだから、確認して通報しないと)
と起き上がり、窓を開けた。
もやもやした室内よりは少しはましな外気が入り込む
見ると、タクシーが止まっていて
歩道には人だかりがあるようだった。
間もなく向こうの方から警官らしい姿が
3人小走りにやってきた。
人だかりの中にいた女がさっきとは別人のように
威嚇するようなドスの利いた声を張り上げては
3人を抗う
逃げる女を3人が追いかけ、とり囲むようにすると
今度は「サワラナイデヨ」と騒ぎ始めた。
それでも足がふらついているのか
転んだり、座り込んだりするのを
3人がしゃがみこんでただ囲むようにしている。
離れたタクシーのそばに呆然と立っているのは
運転手だろうか・・・
とりまきの数人の男性達がすぐ前のアパートに
戻っていく
他の数人も帰り始めた。
やがてもう一台黒っぽい車がやってきた。
そこに女はのりこんだようだ。
運転手が何度も頭を下げるとタクシーに乗り込み去ってゆく。
警官も戻っていく。
二人しかいないようだ。
暗くてよくわからないけれど
少し置いてから、ゆっくりと後からの車も何とか動き出して
騒ぎは収まったようだ。
でも私はそれから朝までずっと眠れなかった。
6時頃新聞をとりに行くと
向かいのマンションにもう布団が干してあった。
(私と同じような被害者かしら・・・)
出かける時にそのあたりを通った。
もう随分と経っていたが
ところどころに香水のにおいが残っていた。
夢ではなく、身体にこたえた夏の夜のできごとだった。
助けて、助けて、誰か助けて~
きゃぁ~きゃぁ~きゃぁ~」
突然若い女性の悲鳴が響いた。長い長い悲鳴だった。
遠くなってゆくように途切れたような気がするから
車で連れ去られたのかしら…
それとも・・・と思って時計を見ると
午前2時20分
どうしたんだろう、何があったのかしら?
それにしても長すぎる・・・
恐怖の中、あんなにも長く悲鳴って出せるものだろうか?
尋常でないことは確かだが・・・
(聞いたのだから、確認して通報しないと)
と起き上がり、窓を開けた。
もやもやした室内よりは少しはましな外気が入り込む
見ると、タクシーが止まっていて
歩道には人だかりがあるようだった。
間もなく向こうの方から警官らしい姿が
3人小走りにやってきた。
人だかりの中にいた女がさっきとは別人のように
威嚇するようなドスの利いた声を張り上げては
3人を抗う
逃げる女を3人が追いかけ、とり囲むようにすると
今度は「サワラナイデヨ」と騒ぎ始めた。
それでも足がふらついているのか
転んだり、座り込んだりするのを
3人がしゃがみこんでただ囲むようにしている。
離れたタクシーのそばに呆然と立っているのは
運転手だろうか・・・
とりまきの数人の男性達がすぐ前のアパートに
戻っていく
他の数人も帰り始めた。
やがてもう一台黒っぽい車がやってきた。
そこに女はのりこんだようだ。
運転手が何度も頭を下げるとタクシーに乗り込み去ってゆく。
警官も戻っていく。
二人しかいないようだ。
暗くてよくわからないけれど
少し置いてから、ゆっくりと後からの車も何とか動き出して
騒ぎは収まったようだ。
でも私はそれから朝までずっと眠れなかった。
6時頃新聞をとりに行くと
向かいのマンションにもう布団が干してあった。
(私と同じような被害者かしら・・・)
出かける時にそのあたりを通った。
もう随分と経っていたが
ところどころに香水のにおいが残っていた。
夢ではなく、身体にこたえた夏の夜のできごとだった。