ぽぉぽぉたんのお部屋

季節の移ろい、道ばたの草花、美味しい食べ物、映画や友人のこと、想いがいっぱいの毎日をお話します

「愛を読むひと」

2009-06-24 | 映画のお話
「愛を読むひと」 随分と新聞や雑誌で取り上げられていました。
前から気になっていた作品です。
ハンナ役でアカデミー賞最優秀主演女優賞受賞のケイト・ウィンスレットはさすがという感じで素晴らしい演技力に存在感です。

大ベストセラー小説「朗読者」が原作とのことですが、私には記憶がありませんでした。

ナチス時代のドイツ。
15歳のマイケルは助けてくれた21歳年上のハンナと恋におちるのですが、二人が愛し合う前に本の朗読をすることを彼女は望みます。
チェーホフ、ヘミングウェイ、カフカ……マンガの果てまで彼はハンナを喜ばせたい一心で毎日通いつめて読み聞かせます。

そして、母と子のような自転車旅行の後、ハンナは突然姿を消してしまいます。

少年の日の恋の思い出を心に抱きながら、法科の学生の彼は彼女の秘密に気付きながらも彼女を助けることを実行しなかったのはなぜなのでしょう。
本当に彼女のプライドを守りたかっただけなのでしょうか。
えん罪の注目される今、弁護士になった彼が彼女を救うことを少しも実行しなかったことにも疑問が消えませんでした。
彼女の無実を引き出したらこの物語はどう変わっていたのかしらと思いながら観ました。
「死んだものはもう帰ってこないのよ!」と言い切った彼女のことばと、生きるために選んだ生活とかたくななまでのプライド。

独房の彼女への読み聞かせのテープは無償の愛というよりどうしても償いの愛のような気がしてなりません。

折り合いをつけながら生きてきたわたしにも、それでも彼女の死を選んだ最期のプライドはわかるような気がします。

でも、無償の愛や究極の愛などというイメージはありませんでした。
所詮、少年と年上すぎる訳あり女の恋だったということでしょうか。

『リトル・ダンサー』『めぐりあう女たち』『シンドラーのリスト』『イングリッシュ・ペイシェント』、『愛と哀しみの果て』などにかかわったハリウッドの大物たちの作品で見ごたえはありましたが、わたしには大きな感動はなかった・・・

劇場ではすすり泣きの声がわずかにしていましたが、どうしても私には彼女たちの人生が理解できませんでした。




コメント
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