夜明け前、外に出ると濃いもやがかかっていて驚いた。
こんなもやは何年ぶりだろう。
10代の頃に旅した美ヶ原で出会ったもや
娘が小さいころのいつまでも梅雨が明けなかった年の
買い物へゆく小道にトンネルのように続いていたもや
幻想的というより、目先の信号もにじんでいて怖い。
すぐ前を歩いていた人の姿が地面に傾いていて無気味だ。
荷物を持った姿の輪郭も
ぼやぼやにひろがっていて何だか地球ではないような感じ・・・
今年は遅く梅雨入りし、
早くあけたはずなのだがここにきてくすぶっている
降り残した雨粒をちりばめて、ふりまいて
いつまでくすぶっているのだろうかと
湿った大気を恨めしく思う
やっとうすくなったもやが霧になり、
小雨になって降り出した・・・
じっとりと暑く身体にしみ込んでくるじめじめした悪魔
いとおしく濡れている蜘蛛の巣だけが
何かしら風情があってさわやかな気がした
こんなもやは何年ぶりだろう。
10代の頃に旅した美ヶ原で出会ったもや
娘が小さいころのいつまでも梅雨が明けなかった年の
買い物へゆく小道にトンネルのように続いていたもや
幻想的というより、目先の信号もにじんでいて怖い。
すぐ前を歩いていた人の姿が地面に傾いていて無気味だ。
荷物を持った姿の輪郭も
ぼやぼやにひろがっていて何だか地球ではないような感じ・・・
今年は遅く梅雨入りし、
早くあけたはずなのだがここにきてくすぶっている
降り残した雨粒をちりばめて、ふりまいて
いつまでくすぶっているのだろうかと
湿った大気を恨めしく思う
やっとうすくなったもやが霧になり、
小雨になって降り出した・・・
じっとりと暑く身体にしみ込んでくるじめじめした悪魔
いとおしく濡れている蜘蛛の巣だけが
何かしら風情があってさわやかな気がした