てすさび日誌

哀しき宮仕えを早期リタイアし、“サンデー毎日”のomorinが生活の一コマや雑感を認めた日誌です(2005/4/20~)

偶成

2006-04-01 10:40:32 | 暮らしと生活
 「1月はいく、2月はにげる、3月はさる」の諺どおり、あっという間に4月がやってきた。この言葉の意味を加齢とともに実感するようになった。
 この時期になると私の小学校の卒業式前夜を思い出す。当時、2クラスあった6年生の卒業謝恩会で全員が出し物を披露することになった。
 私は朱喜の詩「偶成」を吟じた。当時、詩吟をやっていた親父のアドバイスによるもので、意味も十分解らぬままにわか仕込みの口真似でやった。みんなに受けたかどうかは知らずじまいだったが、この詩の内容とあわせて、ベストタイミングの時機をえた、示唆に富むテーマだったと自負している。

 偶成…南宋・朱喜
少年易老学難成(少年老い易く 学成り難し)
一寸光陰不可軽(一寸の光陰 軽んずべからず)
未覚池塘春草夢(未だ覚めず 池塘春草の夢)
階前梧葉已秋声(階前の梧葉 已に秋声)
 
若い時代はうつろい易く、
学問はなかなか成就しない。
それ故、ほんの一寸した時間も
疎かにしてはいけない。
池の畔に春の草が萌えだした夢から、
未だに覚めきらないうち、
早くも庭先の梧桐の葉を落とす、
秋が来たことに驚くのだ。 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする