富田林市における大阪層群の100万年前後の化石―ゾウ・シカなどの哺乳類の牙・角・臼歯そして足跡化石、および直立樹幹・種子・木片などの植物化石は約3kmあまりの範囲内で、おおまかに5カ所で見つかっています。狭い範囲で多くの化石が見つかっているのは、のちの地殻変動と石川の浸食作用によるところが大きいと思われます。
錦織東二丁目における化石木の分布図です。A~Dポイント、特にCポイントは化石群になっており地層も炭化物が大量に含まれる炭化層になっているようです。C群のなかでは、一番大きい倒木のC-1、中心が空洞になっており周囲だけが残っている直径1m以上の直立樹幹の化石C-4も見られます。B,C-2,C-3、Dポイントのように発見以後台風などの増水で消失・変容を受けている化石木もあります。そのことについては、別の機会にそれぞれのポイントについて説明させていただきます。
今回はAポイントについてみていただきます。
【ポイントA】
2013.6.5.林が最初に発見した時のA。この化石木群最大の150×100cmの直立樹幹の化石木です。
2013.1.23. 深溝井堰が満水になり、上流部のこの地点は水面が上昇、頭を出すだけになりました。
2013.10.11. Aの根が大阪層群の粘土層に放射状に5mくらい入り込んでいます。
2014.1.23. ポイントA 西から東へ撮影。ポイントBとの位置関係がよくわかります。5mほどの距離でA・B2つの直立樹幹が存在しました。
ポイントBは、先日の台風11号(2014.8.10.)の増水で40m下流に流失、その後行方不明になっています。
2014.1.23.年輪がよくわかります。後の樹木調査で針葉樹であることがわかりました。
2014.2.26.北西部より写す。写真奥は大阪層群の露頭です。
2014.8.20. ポイントA地点の遠景 北北東(下流部)より、南南西(上流部)を望む。後ろの橋は高橋です。
2014.8.20.直立化石木は5本ほどありますが、これが一番大きな直立化石木です。(直径150×100cm) 8月10日の台風10号の増水で砂が20cmほど流され、さらに全体が大きく見えるようになりました。写真は調査中の諸氏の「足」です。(すんません(^^;)痛みが出て来る前にどのような保全をすべきか検討しているところです。
2014.9.3. ものさしは1m。20cmほど土砂が流されても、根っこが見えないということは、幹がまだだいぶん隠れているということですね。どれだけ大きいのか見当が付きません。上流側はしっかりと大阪層群の地層に根を5m以上張っています。
一度見に来てください。
近鉄長野線 滝谷不動駅 滝谷不動明王寺に向かって、東方向に歩いて5分。途中、石川の高橋を通るので渡る手前を左に降ります。
同じ「富田林百景+」のメンバーの「ken」さんが、台風11号で増水した2014.8.10.の現地の画像をアップされているのでご紹介させていただきます。この増水により、立木化石が1本流失、さらに1本損傷を受けました。
2014.8.10.台風11号接近中の石川(高橋付近) (by ken)さん
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2014.9.3. これなんですか?
2014.9.5. みつけたよ~!石川のゾウ・シカ足跡化石
2014.9.8. ( HN:アブラコウモリH )
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