2023年10月8日 13:26 旧杉山家住宅に咲く萩の花。
今日は石上露子(いそのかみつゆこ、本名 杉山タカ)さんが亡くなられた命日です。昭和34年(1959)10月8日、64年前の今日亡くなられました。
10月14日(土)は「後の雛まつり」。菊とおひなさまが飾られています。
掲げられた山岡鉄舟の墨蹟と露子さんの訪問着。
露子さんのお召しになられた着物が展示されています。
そして今日、石上露子さんの命日を追悼して、「石上露子忌」のイベントが行なわれました。
多くの申し込みがあり、会場はいっぱいのお客様。主催「石上露子を語る会」事務局の奥村和子さんよりお話がありました。
そして、「石上露子を語る会」代表の楫野(かじの)政子さんが「『恵日庵(えにちあん)』から『小板橋』へ」というタイトルで講演されました。
一時期露子さんの文筆活動の中心となった『恵日庵』ができた経緯とおそらくそこで創られたであろう『小板橋』のことを中心に、詳しくお話いただきました。
そのあと、『小板橋』をテーマにした創作日舞が披露されました。
演舞は花柳流「吟明の会」代表 花柳吟明(おとあき)さん。
筝(こと)の音に『小板橋』の長詩を詠った創作楽曲でみごとに舞いを舞われました。
まるで奥座敷から石上露子さんが現れ、晴れ着で舞われているような雰囲気がただよいました。
この後、ご希望の方は奥村和子さんの案内で『恵日庵』跡と『小板橋』跡をめぐる文学散歩が行なわれました。あいにくの雨でしたが多くの参加者があり、熱心にその足跡を聴いて周られました。
現在竹藪の中に『小板橋』跡の碑があります。
そしてすぐ横の「富田林町公園」で小板橋についての案内板を見に行きました。
この辺は河岸段丘の崖の下にあり、竹藪が今も残っている場所に当たります。
きのう10月7日から29日まで開催されている企画展「石上露子忌」では、本人愛用と思われる硯や『恵日庵』の鍵札、『恵日庵』や『小板橋』に関する資料などが展示されています。
いくつもあるその資料をひとつひとつ読んでいくと、先ほどの楫野さんの講演がなおさら理解できました。
三畳の茶室と八畳の広間の庵です。河岸段丘の崖の上に建てられたようです。
『恵日庵』の鍵札が残されています。裏は「本 杉山」と墨書されています。
『恵日庵』と『小板橋』の場所の推定図。井路から引き込んだ井路(せせらぎ)に板橋が架けられていたものと思われます。『恵日庵』の崖の階段を降りて行くと『小板橋』があったようです。現在は井路は確認できません。
石上露子さんが亡くなられてすでに60年以上が立ち、『恵日庵』も『小板橋』ももう過去のものとなってしまいましたが、石上露子さんの文筆活動と杉山タカさんとしての生きざまをもう一度振り返るいい機会でした。
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写真撮影:2023年10月8日
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