アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

バイオ燃料が温暖化に拍車…

2008年07月30日 | Weblog
  バイオ燃料が温暖化に拍車

 メキシコシティー、世界の主要都市としては例がない約2,300メートルの高地に位置します。そのためだと私は思うのですが、街の中は排気ガス(不完全燃焼)の臭いが充満していました。その臭いは、ガソリンの排気ガスの臭いではなく、甘いというか、カルメ焼きというか、嫌な臭いではないんです。メキシコシティーを走る車は、割合は不明ですが(大体そんな割合とか問題にする国ではないです。中古車を買うのも、道ばたで大根を買うような気安さです。本当に、道ばたに中古車を並べて売っている)、アルコール車が主流でした。そのとき初めて、アルコール車の存在を知りました。常識…なかったですね。アルコールの原料はサトウキビとのこと、道理で、排気ガスが、砂糖を焦がしたような甘い香り。納得。

 いま、二酸化炭素削減のために、バイオ燃料に人気が集まっています。
そのため、資源作物である、トウモロコシ、小麦の需要が高まり品薄になっている。何が困るかって、それらおよび加工品が値上がり…困ります。我が家は、パン食ですから小麦の値上がりは痛いですし、言い間違い聞き間違いの家内の好物は、トウモロコシの「ドン」ですから。「ドン」を知らない?日本版のポップコーンってとこでしょうか。
 「ドン」にも影響があるのでしょうが、オレンジにまで影響が!オレンジ畑を潰して、収入の多いトウモロコシを植えてしまうのだそうで…オレンジが値上がりするはずです。我が家は、パンを焼く小麦、ドン、オレンジだけでも大問題なのですが、視野を拡大すると世界的な大問題です。アフリカへの食料援助は、主にアメリカが担ってきました。生産過剰な農産物を、などと意地の悪いことは言いません。そのおかげで餓死せずにすんでいる大勢の人がいるのですから。そのアメリカに、生産過剰な食料がなくなったらどうなりますかということです。
 戦時中の日本の窮乏ぶりを語る例としてしばしば取り上げられる、「松根油(しょうこんゆ)」だって、バイオ燃料では?松の古い根を煮て作り出す。「200本の松で、零式艦上戦闘機(早い話が、ゼロ戦)が1時間飛ぶことができる」とのこと。つまり、数十年かけて育った松1本を消費しても、18秒しか飛べない。これだもの戦争に負けるわ!という話ではなく、バイオマスエネルギー資源としては効率及び再生産性に欠けるということです。ちなみに、かっての同盟国ドイツでは、「ジャガイモ」からアルコールを製造して、戦車や飛行機の燃料にしていました。ジャガイモの方が松よりは、効率及び再生産性でず~っと優れていますよね。

  バイオ燃料の問題点

 自動車燃料用のバイオエタノール拡大は、化石燃料(この言い方おもしろいですよね。おもしろがっている場合じゃないけど)に依存しない「低炭素社会(色々な社会があるもので…こんな社会が現れるとは!)」へ入ったということになります。
 しかし、バイオエタノールを製造する費用は・・・高い原油からガソリンを作るより安いのでしょうか?「すぐ金銭面に持って行く、環境を考えると多少高くてもいいだろう!」はい。それはそれでいいのですが、気になるデータを見つけたのです。
 アメリカの科学誌「サイエンス」に、「燃料をガソリンからエタノールへ切り替えた場合、温室効果ガスの排出量は最大32%減らせるが、逆に20%増える」と、載っている。どーゆーこと?
 サトウキビやトウモロコシは、生育過程で二酸化炭素を吸収するが、栽培するのに化学肥料を使ったりトラクターを使う。つまり、相当量の化石エネルギーが投入される…。あーあ!これじゃあ、バイオ燃料の方が、地球温暖化に拍車をかけることになってしまう!

 主張する還暦パパのこの件に対する意見は…ま、まず、呼吸回数を少なくするところから始めます…そうしているうちに、化石燃料、バイオ燃料に代わる燃料の発明を。急いでます。よろしくお願いします。