アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

オーナー制度…いいですけど…

2008年07月25日 | Weblog
  オーナー制度…いいですけど ~湯は沸かさない~

 「湯を沸かす」…水を沸かして湯にする。湯は沸かさないでしょう。
 「すしを握る」…酢飯にサビとネタを載せて握ってすしになる。すしは握らないでしょう。
 「ホームランを打つ」…ボールを打って、結果としてホームランになる。ホームランは、打たないでしょう。
 「穴を掘る」…掘ったから穴がある。その穴をさらに掘るのなら、穴を掘るでいいで~す。
 「天ぷらを揚げる」…もうお分かりですね。具材に衣をつけて、油で揚げて天ぷらにする。天ぷらは、揚げません。御飯だって炊きません。米を炊くのです。だから一体なんなんだ!って?日常使っている日本語、よくよく考えると、おもしろいなあと思ったので、おもしろさをお裾分けしました。

 「いもほりオーナー」…これは、問題ある表現です。「いもほり」という行為のオーナーのはずがないので、いものオーナーなのでしょう。だったら、「いもオーナー!」連呼するといやがられます!

 オーナー制度は、20年以上も前から財テクのようなシステムでありました。近年グリーン・ツーリズムが、提唱され、オーナー制度が大流行です。しかしこれも、マネなんです。マネが悪いとは言いませんが…近年、ハイテクを除いて日本発というもの何かありますかねえ?戦後よく言われましたよ、「日本人はマネがうまい」しかし、その後の日本は凄かったです。マネたものを、さらに高めて先進国を感服させてしまいましたから。
 アメリカ滞在時代の大家さんは、ハンガリーからアメリカへやってきた(1948年というので、3月革命のころ)ナンドール・ベレスさんでした。技術者で、ボーリング(穴掘りではなく、ボールを転がしてピンを倒す競技)の機械の発明者でした。彼は、店子の私が芝を刈らないので、春から秋へかけて毎週芝を刈りに来てくれました。そのたびに同じ話を聞かされました。
 「1950年代は、日本製品といえば粗悪品の代表だった。しかし、1960年代以降、日本製は信頼できるようになり、今は世界一だ。おまえ達日本人は、実に優れた民族だ。だから、ワシは、おまえに家を貸していることを誇りに思っているんだ」
 ベレスさんは、来る度に必ず我が家の子ども達にチョコレートを持ってきてくれました。うちの子が、「ギブ ミー チョコレート!」と、言ったわけではありません。子どもって、値段が高い安いにかかわらず、もらうと嬉しいものです。そういうことが良く分かっている方でした。

 「グリーン・ツーリズム」は、農山漁村へ行って、自然、文化、人々との交流を楽しむ滞在型の余暇活動です。アメリカのリッチホワイト層は、週末になると別荘へ行って過ごします。ヨーロッパでは、農村に滞在して過ごすのが当然のように普及しています。イギリスではルーラル・ツーリズム(または、グリーン・ツーリズム)、フランスでは、ツーリズム・ベール(緑の旅行)と呼んでいるものです。

 日本のグリーン・ツーリズムの延長上にあるのが、「オーナー制度」です。
喧噪を逃れ、自然の中で思いのままに農林漁業ができるとすると、余暇の過ごし方としては贅沢なものですね。北海道の「タコ箱オーナー」は、長野県の人が最も多いのだそうで…。この場合、週末ごとに、北海道へ来て海へ出るのはまず無理。「市販価格より安くタコが買えるってとこで妥協ですね」
 <ないものない!オーナー制度>
 棚田オーナー、里山オーナー、ラベンダーオーナー、ラベンダーのオーナー、ラベンダー香りのオーナー、りんごオーナー、リンゴのオーナー、そば畑オーナー、あいがも米オーナー、タコ箱オーナー、ヒラメ底建網のオーナー、クロソイオーナー、うまし酒オーナー、いもほりオーナー、じゃがいも株主、じゃがいも一坪オーナー、たけのこオーナー、梨のオーナー、サクランボの木オーナー、スイートコーン茎主、かぼちゃ株主、乳用牛オーナー、和牛オーナー、牛のオーナー、豚のオーナー、羊のオーナー、七面鳥オーナー、昆布オーナー、「巌窟王」長期貯蔵古酒オーナー、白加賀梅一本のオーナー、ミカンの木オーナー、デコポン・はるみオーナー・・・・・。最後の、「はるみ」気になるでしょう。デコポンにつけた名前だそうです。ポンカンより甘いのだそう。私的には、「巌窟王」がいいですねえ。なに!「頑固っ王だろって?」コラ!

 「オーナー制度があなたのこころを癒します」「第二の“ふるさと”づくりです」少々センスを問われるコピーですが、グリーン・ツーリズムの延長にあるオーナー制度は、いいです。ゆとりがあって初めて出来ることですから。
 しかし、オーナー制度に名を借りた、詐欺まがいの事件が報道されていました。とにかく、何でも利用して、金儲けをしよう。犠牲者?そんなの関係ねー!こういう輩が台頭してくるのですから。

 林野庁の「緑のオーナー制度」。満期を迎えた出資者の9割以上が木材価格の下落で大幅な元本割れとなりました(昨秋)。林野庁は「金融商品ではなく、必ずもうかるとうたったわけではない」と・・・この逃げ口上!今、何時代だと思っているんだろうか?リスク説明をしないまま「子や孫に資産を残せる」と勧誘したでしょう!市場価格の変動を考慮せず「利回り約3%」と説明したでしょう!国民は、「林野庁」と聞いて安心し、「緑の…」と聞いて、「いいことをしている」という気持ちになるものなのです。

 10数年前から、6~9%程度の高配当をうたって預託を募り、約7800人から230億円以上を集めていた和牛商法オーナー制度。破綻し、預託金の大半は返還されていない・・・。

 オーナー制度で、金儲けしようというのは・・・それこそ個人の自由かもしれませんが・・・マルチ商法、詐欺が大口を開けて待っている。マネー雑誌等に取り上げられるのものも危険。高金利ぃ!オーナー制度ではあり得ません(3%~4%の金利もあり得ない)。

 ブラントン・バレル・オーナー制度。この個人オーナー制度は、バーボンウイスキー1樽2,646,000円。まあ、年金赤字生活者には手も足も出
ませんが。「ブラントン」は、8~10年間樽貯蔵。シングルバレル(ほかの樽と混ぜない)。2006年モンドセレクションで最高金賞を受賞。バーボン好きには、たまらないウイスキーです。天候も、金利も、価格変動も関係ないところが安心です。オーナーへは、樽から壜詰めした、126本のブラントンが送られてくる。希望すれば、壜詰め後の空樽ももらえる!これで、カラオケの機器を買わなくても自宅でカラオケが…。空樽(からだる)?空桶(からおけ)じゃないんだ…似たようなものだと思うが…無理かぁ。