アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

還暦パパ的 極刑は… ~死刑について~

2008年07月02日 | Weblog
還暦パパ的 極刑は… ~死刑について~

 ナイジェリア駐在だった方に、「車は運転しましたか?」と、尋ねたところ、「ナイジェリアで運転などとんでもない!万が一、事故で死なせてしまったら、その場で私が殺されるでしょう。また、子どもをはねてしまったとしたら、私の子どもが引っ張り出され、車にはねられたでしょう」とのこと。まさしく、「目には目を、歯には歯を」の世界。車どころか自転車にも乗れませんねえ。

 法務大臣に鳩山邦夫さんが就任して、死刑執行が13人。これについて、「急いでいる」とか、「後藤田法務大臣以来、21人の法相で最多だ」とか「昨秋以来、2か月に1人の割だ」とか・・・ちょっとした騒ぎになっています。どーも…法務大臣が責められているような世論。
 数年前、「杉浦正健法相」は就任時に、「(死刑執行命令書に)私はサインしません」と語りました。そんなこと言っていいのかなあと思っていたら、そのあと、「不適切な発言だった」と撤回しましたが。自分が絞首台のスイッチをONにするような気分になってしまうんですねえ。
 日本の死刑方法は、絞首刑。そのほかの、死刑がある国(アメリカ合衆国の場合は、州)の方法は、電気、致死薬注射、銃殺、斬首、石打ちなどがあります。「石打ち刑ってどんなんだって?」これはかなり怖い…もっとも死刑は皆怖いんですけど…死刑囚を土に埋めて(下半身)動けないようにして、死ぬまで石をぶっつけるもの。誰が石を投げるかって? 地元住民ですよ。つまり公開処刑。昨年、イランで、「この処刑方法は廃止した方がいいのではないか」と、ちらりと話題になりましたが、その後どうなったか不明です。

 判決が確定した死刑囚に刑の執行を命じる人…出来れば自分はその役回りは回避したい…皆さんそう考えると思いますが。法務大臣にはなりたくない。まあ、その心配は不要ですがね!
 鳩山法相は、「これからも粛々とやらせていただく」と、語っています。職務ですから、執行について、「多いだの、速いだの」と、法相へ非難めいたことを言うのは、筋違いです。
 死刑反対については、アムネスティが先駆者(?)です。考え方は、「死刑は、究極の人権侵害。生きるという最も基本的な人権を否定するもの」ということです。それはそれで、考え方ですから、とやかく言う必要のないものです。ただ・・・アムネスティが、日本の教育現場の「儀式的行事」における、国旗・国歌について、いちゃもんを付けたのは納得できません。国旗・国歌への介入は、「調子に乗った」としか思えません。その程度の団体だったかとがっかりです。組織もぐらついているとは聞いていますが。「強制は良くない」俗耳に入りやすい言葉ですが、裏を返せば、「放任が良い」ということ。「放任→ほったらかし→なにもしない」これが、良いのか!それこそ人権侵害ではないんですか?現代日本人(一部)のすさんだ心、犯罪は、「強制は良くない」というあまりにも無責任な言葉の産物ですよ。

 還暦パパの意見は、「死刑廃止」です。人権侵害ウンヌンという高尚な考えからではありません。「人を殺してはいけない。殺して罪を償わせるのに、死刑では軽くないか」という所からの考えです。死刑を廃止して、極刑として「終身刑」をつくるのが良いと考えます。終身刑も、仮釈放の可能性がある、「相対的終身刑」ではなく、「絶対的終身刑」でなければなりません。
 なぜそう考えるか?「死刑は極刑ではない」と考えるからです。
 死刑囚の被害者家族にとって、「死刑が執行されました」「ああよかった」にはならないと思います。死刑になるだけの罪を犯したのですから、簡単に処刑して楽にさせてしまうのでは被害者が浮かばれません。死ぬまで刑務所から出られないという(緩慢な死刑と言う表現があるようですが)、最大の苦痛を味わいながら罪を償っていただきましょう。それなら死刑より残酷だって?だから、「極刑だ」って言ってるでしょ。
 また、死刑存続の場合、何年も経ってからえん罪が証明された時には、「すでに処刑されてました」ということが起こる可能性があります。しかし、絶対的終身刑の場合、えん罪が証明されたら、社会へ生還出来るのです。映画「プリズン・ブレイク」も、あの州が絶対的終身刑を採用していれば、弟が全身入れ墨をしなくても良かったのです。(まだ見ていない方、結構おもしろいですよ)

 「無期懲役」ではダメなのか?終身刑と同じだべ?・・・この質問については、あやふやな部分が多いため明快な回答が出来ません。一説によると、無期懲役の「無期」とは「期間を決めない」のではなく、「満期がない」という意味。満期がないから、終身刑と同じだ・・・。しかし、どーも、「期間の定めのない懲役」で、まじめに服役していると仮釈放があり、終身刑とはちがうもの・・・・といった感じを受けるのですが。

 裁判員制度…自分が裁判員になるかもしれません。今の日本、「目には目を、歯には歯を」では済まなくなったことだけは確かです。