日本人メジャーリーガーと英語
野茂が引退した。ノーヒットノーランがどうのこうの…そんなのどーでもいいです。「メジャーリーグに挑戦しようと考え、実行した。おまけに結果も残した」そのことに還暦パパとしては改めて感激しています。
野茂がアメリカへ行ったとき、ロッキー青木さんと重なりました。ロッキー青木さん、このほどお亡くなりになりました(7月10日 享年70歳)。「誰だ?その人?」という人が大半でしょうねえ。若い人は、「デヴォン青木」の父親というと、「ああそう!」という人もいるかな。
アメリカで鉄板焼きチェーン「ベニハナ」を成功させ、アメリカン・ドリームを実現した人です。どうして野茂がその人に重なるか?
ロッキー青木(青木広彰)さんは、大学時代、レスリングの日本選抜に選ばれ、アメリカ遠征(1959年)をしたのです。スケジュールを消化し、帰国のため空港へ向かっているとき、選抜チームを乗せたバスは、パーキング・サービスへ寄りました。青木さんがトイレから出たときには、バスは出発した後。実は、これは出発前に青木さんの父親(青木湯之助さん)が、日本選抜レスリングチームの監督に、「広彰を置き去りにしてきてくれ」と、頼み込んでいたのでした。
着の身着のまま、無一文、英語も分からない。身寄りもない。正真正銘、ゼロから、青木広彰のアメリカ生活が始まりました。いかがでしょう。このロッキー青木のスタートと野茂のアメリカ行き、重なりませんか。
そして、どちらもアメリカン・ドリームを体現した。野茂は間違いなく、何度も「ベニハナ」へ行っています。アメリカの都市には必ずありますから。ロッキー青木さん本人とも会っているでしょう。
野茂に触発され、それまで、「夢はメジャーリーグ」と、言っていたは板が一歩を踏み出せずにいた選手達が、次々とその夢を実現させました。現在、なんと16人!いわば、野茂チルドレンといったところでしょうか。
イチロー(シアトル・マリナーズ)
城島健司(シアトル・マリナーズ)
田口 壮(フィラデルフィア・フィリーズ)
井口資仁(フィラデルフィア・フィリーズ)
井川 慶(ニューヨーク・ヤンキース)
松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)
松坂大輔(ボストン・レッドソックス)
岡島秀樹(ボストン・レッドソックス)
松井稼頭央(ヒューストン・アストロズ)
大塚晶則(サンディエゴ・パドレス)
藪 恵壹(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
岩村明憲(タンパベイ・デビルレイズ)
福留孝介(シカゴ・カブス)
小林雅英(クリーブランド・インディアンス)
黒田博樹(ロサンゼルス・ドジャース)
大家友和(モントリオール・エクスポズ )
私が気になるのは、彼らがどれくらい英語を話すのかです。「日本人は、大学を出ても英語が出来ない」と言われ続けて来ています。遊び半分なら、何年アメリカにいても英語を話すようにはならないでしょう。メジャーリーガーは、仕事ですから、「英語、分かりません」では済まない。
野茂の英語は?13年間もアメリカで生き抜いてきた。マスコミに対する態度やインタビューから、無口で無愛想に見える。(明石家さんまの番組に出ていた時は、明るく喋っていた。)日本語でも多弁ではなさそうなので、英語で急に多弁になるとも思えない。
ドジャースの監督だった、トミー・ラソーダさんは、野茂の英語について、
「This guy understand everything what I say.(ノモは、ワシの言うことは皆分かってるよ)」と、言っています。…と、いうことは、表面的には分かっていない様子だということですね。
アナハイム・エンジェルス(現ロスアンジェルス・エンジェルス)と、シアトル・マリナーズに合わせて9年間在籍した長谷川滋利さんによると、「メジャーでの成功条件として、英語は、必要条件ではない」とのこと。チームにとって必要な選手、例えば、イチロー、松井秀喜、松坂などには英語は必要ない。プレーと態度で、言葉なしにチームメイトの信頼を得られるから…なるほど!
しかし、一流でなければ、言葉なしでコミュニケーションのしようがない。英語は必要不可欠のものだ。分かる分かる!長谷川さんはその著書で言う・・・・・『私の場合、技術的な観点から考えると、とてもメジャーの一流選手とはいえなかった。そこで、メジャーを生き抜いてきたベテラン選手から技術や発想を学ぶために、英語が不可欠なものとなったのである。また、英語が話せるようになると、それ自体がアメリカで生活していく自信になる。私(長谷川さん)の場合、水道やライフライン、銀行などの口座開設手続きを自分でやり生活基盤を整えた。要するに英語は、野球だけでなく、アメリカの文化を構成する一部分であり、それを習得して何でも吸収していこうとする姿勢はメジャーで成功するためにプラスになるのだ。』一仕事成し遂げた人って、いいこと言いますよねー!
結論として、野茂は、メジャー当初は(結果も出せていたので)、日常会話程度の英語だった。メジャーが長くなるにつれ、しだいに英語を身につけ、今では英語で30分も演説するくらいになっている。多分…。
メジャーリーグは、25%がヒスパニック(メキシコやプエルトリコ、キューバなど中南米のスペイン語圏諸国からアメリカ合衆国へ渡った移民とその子孫)。彼らは、英語が良く分からないという。
ヒスパニックが25%と、増え続けているのに反し、黒人メジャーリーガーが減少し、およそ8%なのだという。それは、黒人の身体能力の高さに所以するものだそう。早いうちに、アメフトやバスケットボールへ流れる…ウ~ン…野球は静止の時間や、ベンチで座っている時間もあるからなあ。
メジャーリーグの年金を調べて驚いた。10年プレーすると、62歳から、年額2,124万円受け取れる。日本のプロ野球は、10年以上在籍すれば、55歳から年金を受け取れるが、最高で年額142万円。単純に金額だけ見ると、メジャーは日本の15倍。前出の長谷川さんは、9年間の在籍…その場合年金は?さすがアメリカ、きちんと出ます。「2,124万円×0.9=1,911万円」長谷川選手、62歳からこれだけいただくんですねえ!私の年金とは比較しません。その1割にも満たないんだもの。
野茂は「引退する時に悔いのない野球人生だったという人もいるが、僕の場合は悔いが残る」と言っていました。野茂だから重いセリフだと思います。ところで、桑田は何って言ったんだっけ?
野茂が引退した。ノーヒットノーランがどうのこうの…そんなのどーでもいいです。「メジャーリーグに挑戦しようと考え、実行した。おまけに結果も残した」そのことに還暦パパとしては改めて感激しています。
野茂がアメリカへ行ったとき、ロッキー青木さんと重なりました。ロッキー青木さん、このほどお亡くなりになりました(7月10日 享年70歳)。「誰だ?その人?」という人が大半でしょうねえ。若い人は、「デヴォン青木」の父親というと、「ああそう!」という人もいるかな。
アメリカで鉄板焼きチェーン「ベニハナ」を成功させ、アメリカン・ドリームを実現した人です。どうして野茂がその人に重なるか?
ロッキー青木(青木広彰)さんは、大学時代、レスリングの日本選抜に選ばれ、アメリカ遠征(1959年)をしたのです。スケジュールを消化し、帰国のため空港へ向かっているとき、選抜チームを乗せたバスは、パーキング・サービスへ寄りました。青木さんがトイレから出たときには、バスは出発した後。実は、これは出発前に青木さんの父親(青木湯之助さん)が、日本選抜レスリングチームの監督に、「広彰を置き去りにしてきてくれ」と、頼み込んでいたのでした。
着の身着のまま、無一文、英語も分からない。身寄りもない。正真正銘、ゼロから、青木広彰のアメリカ生活が始まりました。いかがでしょう。このロッキー青木のスタートと野茂のアメリカ行き、重なりませんか。
そして、どちらもアメリカン・ドリームを体現した。野茂は間違いなく、何度も「ベニハナ」へ行っています。アメリカの都市には必ずありますから。ロッキー青木さん本人とも会っているでしょう。
野茂に触発され、それまで、「夢はメジャーリーグ」と、言っていたは板が一歩を踏み出せずにいた選手達が、次々とその夢を実現させました。現在、なんと16人!いわば、野茂チルドレンといったところでしょうか。
イチロー(シアトル・マリナーズ)
城島健司(シアトル・マリナーズ)
田口 壮(フィラデルフィア・フィリーズ)
井口資仁(フィラデルフィア・フィリーズ)
井川 慶(ニューヨーク・ヤンキース)
松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)
松坂大輔(ボストン・レッドソックス)
岡島秀樹(ボストン・レッドソックス)
松井稼頭央(ヒューストン・アストロズ)
大塚晶則(サンディエゴ・パドレス)
藪 恵壹(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
岩村明憲(タンパベイ・デビルレイズ)
福留孝介(シカゴ・カブス)
小林雅英(クリーブランド・インディアンス)
黒田博樹(ロサンゼルス・ドジャース)
大家友和(モントリオール・エクスポズ )
私が気になるのは、彼らがどれくらい英語を話すのかです。「日本人は、大学を出ても英語が出来ない」と言われ続けて来ています。遊び半分なら、何年アメリカにいても英語を話すようにはならないでしょう。メジャーリーガーは、仕事ですから、「英語、分かりません」では済まない。
野茂の英語は?13年間もアメリカで生き抜いてきた。マスコミに対する態度やインタビューから、無口で無愛想に見える。(明石家さんまの番組に出ていた時は、明るく喋っていた。)日本語でも多弁ではなさそうなので、英語で急に多弁になるとも思えない。
ドジャースの監督だった、トミー・ラソーダさんは、野茂の英語について、
「This guy understand everything what I say.(ノモは、ワシの言うことは皆分かってるよ)」と、言っています。…と、いうことは、表面的には分かっていない様子だということですね。
アナハイム・エンジェルス(現ロスアンジェルス・エンジェルス)と、シアトル・マリナーズに合わせて9年間在籍した長谷川滋利さんによると、「メジャーでの成功条件として、英語は、必要条件ではない」とのこと。チームにとって必要な選手、例えば、イチロー、松井秀喜、松坂などには英語は必要ない。プレーと態度で、言葉なしにチームメイトの信頼を得られるから…なるほど!
しかし、一流でなければ、言葉なしでコミュニケーションのしようがない。英語は必要不可欠のものだ。分かる分かる!長谷川さんはその著書で言う・・・・・『私の場合、技術的な観点から考えると、とてもメジャーの一流選手とはいえなかった。そこで、メジャーを生き抜いてきたベテラン選手から技術や発想を学ぶために、英語が不可欠なものとなったのである。また、英語が話せるようになると、それ自体がアメリカで生活していく自信になる。私(長谷川さん)の場合、水道やライフライン、銀行などの口座開設手続きを自分でやり生活基盤を整えた。要するに英語は、野球だけでなく、アメリカの文化を構成する一部分であり、それを習得して何でも吸収していこうとする姿勢はメジャーで成功するためにプラスになるのだ。』一仕事成し遂げた人って、いいこと言いますよねー!
結論として、野茂は、メジャー当初は(結果も出せていたので)、日常会話程度の英語だった。メジャーが長くなるにつれ、しだいに英語を身につけ、今では英語で30分も演説するくらいになっている。多分…。
メジャーリーグは、25%がヒスパニック(メキシコやプエルトリコ、キューバなど中南米のスペイン語圏諸国からアメリカ合衆国へ渡った移民とその子孫)。彼らは、英語が良く分からないという。
ヒスパニックが25%と、増え続けているのに反し、黒人メジャーリーガーが減少し、およそ8%なのだという。それは、黒人の身体能力の高さに所以するものだそう。早いうちに、アメフトやバスケットボールへ流れる…ウ~ン…野球は静止の時間や、ベンチで座っている時間もあるからなあ。
メジャーリーグの年金を調べて驚いた。10年プレーすると、62歳から、年額2,124万円受け取れる。日本のプロ野球は、10年以上在籍すれば、55歳から年金を受け取れるが、最高で年額142万円。単純に金額だけ見ると、メジャーは日本の15倍。前出の長谷川さんは、9年間の在籍…その場合年金は?さすがアメリカ、きちんと出ます。「2,124万円×0.9=1,911万円」長谷川選手、62歳からこれだけいただくんですねえ!私の年金とは比較しません。その1割にも満たないんだもの。
野茂は「引退する時に悔いのない野球人生だったという人もいるが、僕の場合は悔いが残る」と言っていました。野茂だから重いセリフだと思います。ところで、桑田は何って言ったんだっけ?