アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

魚・魚・魚

2008年07月31日 | Weblog
   魚…魚…魚

 中国のことわざに
 1日楽しむなら 酒を飲みなさい
 3日間楽しむなら 豚を殺しなさい
 3ヶ月間楽しむなら 結婚をしなさい
 3年楽しみたいなら 仕事を覚えなさい
 一生 楽しみたいなら 釣りをしなさい
 というものがあります。え?違うって。実は、いろいろあるのです。あなたの記憶と違うものがあってもいいのです。「旅行しなさい」とか「畑を耕しなさい」とか「うさぎの皮を剥ぎなさい」とか・・・。どのことわざも、一生楽しみたいならは、「釣り」で、これだけは共通です。私は、釣り好き。ボウズ(釣果なし)でもいいのです。魚を食べたいだけなら、魚屋へ行けばいいことです。
 仕掛けを用意する行為が好きです。「夢と希望」があります。
 エサを付ける時、すでに勝ち誇った気がします。
 「アタリ(魚がえさをつつく)」を待つ間、「無我の境地」ですねえ。
 釣れたときには、「私のエサに食いついてくれたね。ありがとう」とお礼を言ってしまいますねえ。
 そのまま何も釣れずに帰り支度の場合。これがまたいいのです。
「人生とはこんなもんだ」と、悟りを新たに出来る。また、「敗者の心情」が分かるから、敗者の前に立ったときどんな言動をするのがいいのかのシュミュレーションができる。釣りって、「人生の縮図」というか、「奥が深い」というか、「欲得と成功と挫折」というか…一生楽しみたいなら、釣りをしなさいということがよく分かります。

 岸壁で釣りをしているのは、9割が高齢者。毎日来ているのか、井戸端ならぬ岸壁会議。話の中身が、WTOの交渉だったり、なかなか高尚なテーマ。そう考えること自体が失礼千万なのですね。高齢者は、WHOに興味ないだろうと。ゴメンナサイ。たまに、中高学生が釣りをしているのを見るとき、「偉いぞー!」と思います。子どもは、釣りをしなければなりません。中高生の親の層が、釣りをしない層です…そうなると、子どもが自ら釣りに興味を示すってことは、まれとなります。誰かが体験させる必要があります。その誰かは、学校であったり、地域であったり…。親は期待薄です。釣り竿を買い与えなくても、携帯電話やニンテンドーは買い与えるでしょう…。

 水産白書によりますと、日本人の魚離れが加速しているのだそうです。高齢者は、肉より魚(1995年)だったのに、今は、高齢者の魚離れも起きているという。この10数年で、高齢者も世代交代しましたから…。岸壁で釣りをする高齢者も消えていくのでしょうねえ。

 魚離れの理由も書かれています
1 同居の家族が好まない
2 肉より割高
3 調理が面倒
4 魚焼きグリルを洗うのが面倒
 ハイハイ、魚を食べなくて結構です。この4つの理由に対抗して、無理矢理「魚を食べます」と言わせることは出来ないですから。どの理由も、魚を食べないという批判をかわそうとする、取って付けたようなものです。はじめから、「絶対魚は食わんぞ!」という決意での回答ですから。
 同白書によると、「2005年まで、日本人は1日、94gの魚を食べていたが、2017年には、87gに減少する。国民の健全な食生活への悪影響が懸念される」例のキッチンカーで、肉を宣伝して以来、癌・心臓疾患…糖尿病が増えてきたのですから。肉を減らして魚を食べるというのが重要なポイントになります。

 「魚を食べると頭が良くなる」という歌がありました。魚を食べたら、習ってもいない方程式が解けるなんてことはないので、「頭が良くなる」ということはないでしょうが、魚に豊富に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸:Docosahexaenoic acid)で脳の働きが活性化されるということは間違いないようです。そのため、我が家では、子どもが試験の日の朝食には、「サンマの缶詰」を食べさせました。それで、効果のほどはどうだったかって?サンマを食べた日、80点。食べなかった日、55点。そんなの、試験問題が違うんだから参考資料にもなりません。個体内比較が出来ませんので、効果のほどは不明です。勉強するのは子ども本人。勉強しない子に、「勉強しなさい」は、親の自己満足およびアリバイ作り。何のアリバイかって?結果が良くなかったとき、「だから、あのとき勉強しなさいって言ったでしょう!ね、言ったわよね」というわけ。親は、さりげなく学習環境を整え、DHAとブドウ糖を摂取させる…。子どもは、「両親÷2」ですから、期待は出来ません。あ!知らぬ間に魚が陸に登って、親子の在り方にまで介入してしまった。

 魚離れに反論もあります。「岬まさじ」という、作詞家風の名前のジャーナリストが、「エコノミスト誌」に寄稿している文に次のようなものがありました。
 「水産物の販売額は減少しているが、調理済み食品の売り上げは増加している。ここには、魚介類の天ぷら、フライ、寿司なども含まれる」
 つまり、魚離れの現実はないという指摘。確かに「総菜」にしてしまうと、上記の魚離れの理由1~4もほぼクリアしてしまいますね。「サンマの缶詰」もジャンルは、総菜ですかね。
 魚離れについて、「ある、なし」」は、茶の間の人間が真相を知るよしもなしです。

 魚をとりまく現状の最大の問題は、燃料の高騰です。漁師さんが船を出せば赤字になるという点。全国一斉休漁という抗議行動も起こしました。水産白書で、健全な食生活への悪影響が…と書いてあるのですから、漁師さんの燃料代…何とかなりませんかねえ。と、思っていたら7月29日、政府が漁業者支援の緊急対策に、745億円の支出を決定。素早い対応。対応しなければ批判、対応しても批判・・・。対応して批判があるのかって?税金を使うわけなので当たり前なんですが、「手続きが煩雑すぎる」とか、多くは、「金額が少ない」ということですね。
 主作用の治療をしないで、次々と出てくる副作用の治療に追われる。サミットでお互い顔見知りになったんだから、主作用を治療出来ると思うんだけど…各国首脳も、そこへくると一庶民になってしまうのかねぇ。