アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

日本にはできない学校行事 ~インカ道トレッキング~

2010年11月01日 | Weblog
 夢中のうちにマチュピチュ遺跡を見させていただき、ホッと我に返ったとき、インティプンカ(太陽の門)から、下りてくる数百人の行列を見た!しかも、観光客ではない。遠目にも、若い人たちに見える。あの人たちは一体どこから現れたのか?マチュピチュ村からバスでマチュピチュ遺跡へ来て、インティプンカに登って下りてきたのではないことは確か…。

 日本人観光客のガイドさん(現地の方)に尋ねると…
 「ああ、あの人たちは高校生です。3泊4日のインカ道トレッキングの最終行程です」とのこと。高校生たちは、続々とマチュピチュ遺跡に到着し、段々畑で休憩。リャマやアルパカの糞をものともせず寝ころび、達成感に浸っていた。

 3泊4日のインカ道トレッキングとは…
 トレッキング客の集合場所は、ウルバンバ渓谷のオリャンタイタンボの広場。ここで、ガイドやポーターを雇う。(高校生についても、同様だったでしょう)
 参加者本人は、必要な物だけをリュックに背負って出発する。重い荷はポーターたちが先にキャンプ地まで運ぶ。先回りしたポーターは、宿泊のテントを設営し、夕食を用意して待っていてくれる。個人参加の場合、一人あたり300~500ドル。風呂?…あ、あのね、3,000~6,000mという高所のトレッキングですよ!風呂へ入るのは我慢して下さい。ただ、場所によっては、氷河が融け出した川で水浴びするのは可能らしいけど。

1日目・・・オリャンタイタンボの広場から車で、ベロニカ氷河(5,860m)を通って、2,600mの出発地点まで移動。パスポートチェックのあとトレッキングを開始し、3,000m地点まで歩く。
 2日目・・・7:00出発。4,200mの難関を通過し、3,500m地点まで。午後6時まで歩く。
 3日目・・・ 3,500~4,000mの高所をひたすら歩き続ける。
 4日目・・・歩いて歩いて、インティプンク(太陽の門)に到達し、ゴールのマチュピチ遺跡へ。

 この3泊4日のトレッキングを、ペルーの高校生が行っている。ゴールして、段々畑で憩う高校生たちをつぶさに観察させていただいた。誰一人、携帯電話を持っていなかった。カメラを持っている子も少数。澄んだ目をしていただろうって?いいえ、皆さん疲労からか充血した濁った目をしていました。それが当然でしょう。富士山頂の高さを、キャンプしながら4日間歩き続けたのですから。

 さて、日本の高校はこのようなことができるか?私は、99.9%できないと思います。まず教職員が反対する。保護者が反対する。生徒が…えーっ!3泊4日もシャンプーできないのぉ!寝袋で寝るのいやだー!一日8時間歩くのを4日間も続けるの?!信じられない!

 日本の若者には、インカまで行かなくても、3泊4日、自然の偉大さを骨身に染みさせ、自然の前に人はいかに無力かを知らせることが大切だと思うのですがね…。えっ?日本の老人にも自然の偉大さを体感させろって?確かに!最近、日本の老人の質が下がっています…。
 ペルーの老人は…平均寿命が69歳。つまり、ペルーには老人が少ない…。