アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「ビルマの呼称をビルマに戻す」…根無し草運動…

2010年11月28日 | Weblog
 スーチーさんが軟禁を解かれた…。軍事政権の国際社会へのパフォーマンスでしょう。
 「ビルマと呼ぼう」と世論に訴えてきた(つもり)ですが、焼け石に水。
20年ぶりに民政移管に向けた総選挙(有権者約2900万人)の投票が行われた…このニュースも、「ミヤンマーで…、ミヤンマーが…」。何度も書くが、「ミヤンマー」は、軍事政権が1989年(平成元年)の6月に、「ビルマ」から改称したもの。つまり、「ミヤンマー」と呼ぶことは、軍事政権を認めるということ。認めるんですか?軍事政権を!

 「民政移管…」と、聞いたとき、「ま、まさか民主化?」と一瞬思いました。そんなはずはありません。有力野党などない。軍事政権側の、「連邦団結発展党(USDP)」が圧倒的。

 閑話休題。日本政府は…ビルマの軍事政権をいち早く承認し、「ビルマの日本語の呼称をミャンマーと改める」とした。その時の日本首相は、就任したばかりの、宇野宗佑さんでした。水島上等兵は、さぞ怒り狂ったことでしょう。「水島上等兵ってダチョウ倶楽部の?」だって?そ、それは、「上島竜兵」。「ビルマの竪琴」を知らんのか!

 日本の新聞社は、軍事政権を認めたくないという態度は見せている。
 朝日新聞は、「ミャンマー(ビルマ)」と表記。堂々と、「ビルマ」としてくれたらもっといいのに。毎日新聞は、「ミャンマー」との表記を原則にしている。しかし、「ビルマ表記も認める」と、している。逃げ腰ではあるが、ビルマの余地を残しているので…まあ…。それにしても、日本政府はふがいない!

 世界的にはどうなっているか…
 アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリア、タイは、「ビルマ」。
 EUは、「ビルマ」と「ミヤンマー」の併用。
 BBC、ワシントン・ポストなどの有力メディアは、「ビルマ」。

 軍事政権が、「ミヤンマーと呼べ」といったので、意地でも反対しなければなりません。ただ…「ミヤンマー」という呼称をどこから引っ張り出してきたかというと…
 12世紀の碑文に、「ムランマー」と書いてあるのだと。ムランマーが時代と共に変化して(訛って)ミヤンマーになった。つまり、ミヤンマーの呼び名のほうがビルマより古い…。で、ミヤンマーが訛ってビルマになったんだと!時系列を追うと、「ムランマー→ミヤンマー→バーマ→ビルマ」。

 こうなると、軍事政権の言い分がおかしいことが分かります。どんな言い分かとといいますと、「ビルマは、ビルマ族だけを指し、ミヤンマーは、国内の全民族を指す」このようなもっともらしい理屈をでっちあげて国際社会に説明。歴史的に、ミヤンマーもビルマも同じもので、民族についても、ミヤンマーもビルマも、「ビルマ族を指す」これが正しい。

 結局、「どっちでもいい」ということが分かりました。しかし、軍事政権の言いなりにはなりたくない。「ビルマはビルマ!」です。