ペルーから日本への出稼ぎ…７万人超

　ペルーの高校生が、３泊４日のインカ道トレッキングをしていたのは数日前に書きました。その時私は、続々とゴールのマチュピチュ遺跡へ入ってくる高校生を観察しておりました。
　すると、女子高生の一人が、日本人と全く変わらない日本語で、「こんにちは！」と声をかけてくれました。どうして、ペルーの女子高生が日本語を話すのか？
　「やあ、こんにちは。どうして日本語を話すの？」
　「大阪にいたんです」
　どんな事情かまでは詮索しなかったが、彼女は日本で暮らしていたことがあった。たぶん。親の出稼ぎ先の日本に一緒に来ていたのでしょう。

　ペルーの人口は約２,９００万人。そのうち、インカの子孫は３３％。日系人は、１.８％。日系人のうち、ほぼ７万人が日本へ出稼ぎに来ているという。もちろん、日系人ではないペルー人も出稼ぎに来ている。

　ペルーの人が、「ペルー人の恥」としているのが、ホセ・マヌエル・トーレス・ヤギ。出稼ぎに来ていた広島市で、下校中の小１の少女に性的暴行を加えて殺害した。
　「ヤギは、ペルーの刑務所へ入ったら即日消えるよ」と。どういう意味かと思ったら、ペルーの刑務所は、刑務所内の行動は自由。ペルーでもっとも忌み嫌われている犯罪が、性犯罪。性犯罪を犯した受刑者は、収監されると他の受刑者に殺されるという。

　２１歳で、リマ旅行社の社員として日本人旅行者へのガイドをしている
ミゲルくん。彼は、御両親の出稼ぎに帯同し、愛知県で９年間暮らしたという。ペルーへ戻って、スペイン後の習得に苦労したとも。
　クスコのガイドのアレックスは、「リマ大学卒業（生物学）→サッカーのペルー代表に選ばれたこともある→大阪へ出稼ぎに→ペルーへ帰国して大学の観光学科へ学士入学して卒業→観光ガイド業」と、まあこのような経歴。生物学のほうは、生態学の専攻で年に数回はアマゾンへ出かけて研究を続けているという。食事の時、「酒と涙と男と女」を、ギターの弾き語りで聴かせてくれた…正しく文武両道。才能がある人って、どこにでもいるものです！

　「インディオ」という言葉がある。ペルーへ行って分かったのですが、「インディオ」は、差別語なのだという。やはりリマ旅行社のセルシオ・シマブクロさん（日系３世。ペルーへの日系移民の殆どが、沖縄出身者）は、「私へ向かって、インディオ！と叫んだ人がいた。私はインディオじゃないのに！」と、大変な怒りよう。「インディオ」は、相当強烈な差別語だということがうかがえます。

　ペルーにおける日系人の地位は、元大統領のフジモリさんに代表されるように非常に高い。ペルーの政界、財界の大物に日系人は多い。もっとも、フジモリさんは、禁固２５年と被害者遺族への賠償金支払いを命じられているけど。