事件なのか自殺なのか…平成の阿部定もどき…

　あの事件、どうなったんだろう？そうこうしているうちに、こっちも忘れてしまう。そういう事件が多いです。

　「阿部定事件」を知る人が少なくなってしまいました。私が生まれる前の事件（昭和１１年５月１８日）ですが、あまりにも衝撃的な事件だったことから長く語り伝えられ…私共、アラウンド還暦世代にも聞き覚えがある。

　事件のアウトラインは・・・阿部定さんが、石田吉蔵さんを殺害し、体の一部を切り取って逃げた。号外まで出まして、日本中大騒ぎ（だったことがうかがえます。私は生まれていなかったけど）。２日後、定は、あっさり逮捕されました。
定は懲役６年の判決。１９４１年に、「皇紀紀元二千六百年」の恩赦で出所。

　話は、阿部定からはずれますが、「紀元二千六百年」というのはなかなか大変なもので…。旧日本軍の「零式戦闘機」、なぜ「零式」なのか？紀元二千六百年ということは、算用数字で書くと、「２６００年」。軍用機は、採用年次の皇紀下２桁を名称に冠する規定になっていた。だから、「零式戦闘機」。

　閑話休題、阿部定！
　出所した阿部定は、何と偽名で結婚生活（入籍はしていなかった）。し、しかし、ＢＵＴ！阿部定とバレて破局。その後、瀬戸内寂聴さんによると、「芝居・見世物一座で本人が講釈し、石田吉蔵さんから切り取った体の一部（模造）を見せるなどしていた」。

　昭和１１年には、「二・二六事件」があり、「上野動物園黒豹脱走事件」がありました。これに、「阿部定事件」を加えて、「昭和１１年の三大事件」と呼ばれています。「二・二六事件は誰でも知っているが、黒豹脱走ってなんなんだ？」って？その名の通り、上野動物園から黒豹が脱走して、捕まった…それだけの話ですが、当時としては大変な騒ぎだったようですよ。とにかく、あの恐ろしい黒豹ですから！黒猫より強そう。

　さて、「平成の阿部定事件」。１月１６日に発覚した、昭島市（東京）の事件。男性の遺体は、首、胸、下腹部などを刺され、切り取られた下腹部が床に落ちていた…。
　これって、殺人事件じゃないのか？自殺の線は…、自殺する男が全裸になって、あちこち（４カ所らしい）を庖丁で刺して、下腹部を切り取るか？
　何でも男性から、「覚せい剤の成分が検出」されたそうで、自殺説が有力らしいが…。

　平成の阿部定の疑いがかけられている男性の交際相手の女性がおられる。４０代後半で、身長１５５センチほどの小太り。ミニスカート姿に赤の派手な上着を着ていて「ＡＫＢ４８のような格好をしていた」…。あ、あのね、ＡＫＢ４８は３０歳未満ぐらいでやめてくれ！４０代後半で、カチューシャを外すなよ！
　この女性、近くに住む主婦が自宅前を掃除していたら、「テメー、何ジロジロ見てんだよ」と右肩にパンチしたという。…ＡＫＢ４８の衣装で歩いている４０代後半の女とは目を合わせてはいけません。肩にパンチされてしまう。あぶない、あぶない！

　というわけで、警視庁捜査１課は、自殺と他殺の両面で調べている…。自殺だったら、犯人が見つかるはずもないが…。その後の経過…教えてくれないだろうなあ…。