アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

「武道必修化で、柔道は延期すべき」…智慧を出してください!

2012年02月28日 | Weblog
 平成18年12月に、59年ぶりに教育基本法が改正されました。平成20年3月、中学校学習指導要領が改訂されました。その中で、「我が国の伝統的な運動文化である武道を学校における体育学習の内容として重視していく」ことが盛り込まれました。我が国の文化や伝統を尊重する。国際社会において、世界に生きる日本人を育成していく。

平成18年の段階で、すでに平成24年度からの武道必修は分かっていました。
 文部科学省は、平成24年度からの中学校学習指導要領の完全実施に向けて、各学校で武道・ダンスを安全かつ円滑に実施できるよう、指導者・施設・用具の観点から、各教育委員会の取組を支援してきました。つまり、武道必修化への準備期間は、3~5年ありました。

 そして今、土壇場になってから柔道への猛攻…
 1 柔道は危険だ。昨年度までの28年間に114人の子どもが命を落とし、275人が重度の障害を負った。
 2 現場で指導にあたる体育の先生も不安を募らせている。地元の柔道連盟などと連携して講習会を開催している。わずか数日間の講習で初段(黒帯)を認定したりなど…。

 なんなんだ?後1か月ほどにせまった、新学習指導要領の完全実施…このタイミングに批判…おかしいでしょう!

 文科省の回し者ではありませんが、世界に生きる日本人を育成しなければなりません。我が国の文化や伝統を尊重しなければなりません。そのためには武道です。文科省は正しい。準備のための予算もしっかり付けてきた。
 ですから、しっかり準備してきた市町村がたくさんあります。と、いうか…この期に及んで、「武道必修化で、柔道は延期すべき」ということを言い出しているのは、市町村ではなく、話題を作って大げさにしようとするメディアだと思います。

 昨年度までの28年間に114人の子どもが命を落とし、275人が重度の障害を負った。これは無視できないことです。現に、「ウチの子は、中学校へいっても柔道をさせません」と、言い放つ親もおります。この、柔道の事故は、今発覚したことではないのです。「昨年までの28年間…」ですから。

 全国柔道事故被害者の会だって、武道必修で柔道を行うことに反対していはいなのです。「柔道の指導には厳格な資格制度の導入が必要だ」と主張しているのであって…。
 ところが、この全国柔道事故被害者の会の主張を、「必修化で柔道を採り入れることに反対」と解釈したメディア…。「114人の子どもが命を落とし、275人が重度の障害」この事実は、「騒ぎにしてやろう!」とするメディアには、御本尊様。

 無責任きわまりないメディアのほかに、悪者として…体育教員をわずか数日間の講習で初段(黒帯)を認定してう人達がおります。
 柔道は、「受け身3年」です。数日の講習で、受け身が出来るようにはならない。帯だってまともに結べない。立ち方、座り方、立礼、座礼…分かるはずがない。まして投げ技などもってのほか。それが、く、く、黒帯をもらってしまう!?情けないという類の問題ではありませんね。付け焼き刃どころか、アルミ箔の刃です。こういう指導者にかかっては、子ども達が、ケガし放題です!やめていただきたい。

 武道必修化と柔道について、批判するのは簡単です。柔道指導の安全対策について提案しなければアンティークマンの名が廃る。
 「地域ぐるみで、柔道を学校における体育学習の内容として重視していく」。地域の力を借りるということです。柔道専門の体育教員がいない中学校では、「地域の柔道家を、いわゆる人材活用(この言葉は、上から目線ですから良い言葉ではありませんが、この際目をつぶっていただきたく)で、指導に入っていただく」。
 数日の講習で黒帯を締める教員よりどれだけ質が高いことか!隘路としては、「心」がある柔道家か否かという問題があります。それも大きな問題ですが、「付けアルミ箔」よりは、まし。

 ロシアの柔道人口も多いが、柔道といえばフランスでしょう。日本の4倍の競技人口ですから。そのフランスでは、重大な事故が起きていない。このことに注目しなければなりません。フランスの柔道指導者は、「国家資格」。380時間以上の研修が義務づけられている。日本のように、「数日」ではないのです。
 全日本柔道連盟は、25年度からの指導者資格制度の導入を決定しました。現在、全国各地で安全講習会を開催している最中です。遅いです。なぜ20年度からとりかからなかったのか!まあ、過ぎてしまったことなので、今さら取り返しは付きません。

 教員の柔道指導者が育つまで、「地域の柔道力」で凌ぎましょう。