アンティークマン

 裸にて生まれてきたに何不足。

プロ野球選手でも、俳句は有季定型でお願いします

2012年02月14日 | Weblog
 「投げる借金返済人」という異名をもったプロ野球の投手がおりました。借金を返済し終わり、大学へは行かなかったのに大学院へ行き首席で修士課程を卒業。まあ、それはいいんですが、「投げる俳諧師」を襲名したプロ野球の新人投手がいるという。
 まさか、松尾芭蕉というなの投手ではないだろう…正岡子規でも、小林一茶でも…。
NTT東日本からドラフト2位で西武に入った、「小石博孝投手」が、「投げる俳諧師」。

 今年のプロ野球の新人で楽しみにしているのは、ソフトボール出身の日本ハムの大嶋匠捕手と、小石博孝投手でした。その小石が、俳人と知って、身内のような気持ちになりました。なぜかって?私は、「はいじん」を自称しているものですから。廃人じゃありませんよ、俳人です。

 なぜ、小石くんに注目しているかというと…スポーツ新聞の記事からです。
 速球を投げることよりも、テークバックを小さくし、ボールの出所を見づらくして、打者のタイミングでバットを振らせないことに腐心したフォームは魅力たっぷり。ぎりぎりまで左腕を隠し、足をゆっくりと下ろし、右足が着地してからの体重移動も若干の間がある。この独特の間は他の投手もなかなかまねができない。
 球速は、最速146km。速球投手ではない。しかし、日本ハムの武田勝がそうであるように、技巧派投手は(めった打ちされずらいという意味で)計算が出来る。
 
 ところで、なぜ「俳句」?
 高校時代(鶴崎工)、伊藤園が主催する、「第16回伊藤園 おーいお茶 新俳句大賞」に応募したところ、何と「都道府県大賞」を受賞したんだと!賞金をゲットしたほか、ペットボトルのパッケージに俳句が掲載されのだそうで…。
 これは凄いことですよ!俳句を応募しようという心が素晴らしい。もっとも、国語の授業の一環で、生徒全員で応募したのだそうですが…国語の先生が素晴らしいということですかね。

 えっ?賞金の金額と、どんな俳句だったかが気になるって?
 賞金は5,000円…。まっ、賞金の多寡は問題じゃないです…。
 作品は…
 「二人きりいつも以上の心臓音」
 おいおい、俳句は、「有季定型」が大原則。この俳句らしきものは、季語がない。これは、川柳ですね。伊藤園の「おーいお茶 新俳句大賞」は、「有季定型にこだわらない句が集まる」のだそうで…勝手にしやがれっ!
 これは、小石俳諧師が悪いのではなく、「二人きりいつも以上の心臓音」を選んだ審査員が悪いわけで…。小石くんが偉いのは、「オラ、都道府県大賞獲ったから、野球をやめて俳句で食っていく。奥の細道を徘徊するっ!」などという考えをもたなかったことですね。徘徊師には、ならなかった。

 「プロで初勝利を挙げたら、お立ち台で一句詠む」のだそうで…有季定型でお願いしたい。